Issue・Vision・Mission

キッズドアについて

Issue

日本の子どもたちが
直面している危機

貧困

貧困に苦しむ子どもが、日本にもたくさんいます。

子どもの貧困は大きな社会的課題です。貧困は様々な事象の原因となります。
2019年の国民生活基礎調査によると、日本の子どもの貧困率は13.5%(前調査から-0.4%)です。
日本において相対的貧困状態とは、一人あたり127万円/年(新基準)以下で暮らす生活にあることです。(平均世帯年収としては、日本全体では552万円、児童のいる世帯では746万円、母子世帯では306万円です。子どもの貧困率の2018年のOECD加盟国平均は12.8%です(OECD)。)
また、ひとり親家庭の貧困率は48.1%。2人に1人は貧困です。OECDの発表でも、日本は加盟国中ワースト1位です。

教育格差

保護者の経済状況が子どもの学力に影響しています。

OECDの発表によると、日本の教育への公的支出(対GDP比)はOECD加盟国の平均以下です。
つまり、日本では教育にかかるお金を家庭が負担しています。(文部科学省によると、すべて公立へ通わせた場合、大学卒業までにかかる費用は約770万円です。)
文部科学省の調査結果(子どもの学習費調査)からは、世帯の年間収入と学習費総額には相関があるということが明らかになっています。日本では、子どもの学力が家庭の経済力によって左右されてしまうのです。

世帯年収と子供の学力(小学6年生)のグラフ。 出典:国立大学法人お茶の水女子大学『平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究』および公益財団法人チャンスフォーチルドレンのホームページ。

虐待

虐待は増え続けています。

2020年度に、児童相談所が対応した虐待件数は20万件を超えています。これは、2015年度の件数と比べると倍増しています。
厚生労働省によると、2019年度の虐待による死亡事例は57人です。1週間に1人以上の子どもが命を落としています。
虐待死のあった家庭のうち、「生活保護」や「市町村民税非課税」などの低所得世帯は約30%であり、「無職」の割合は母親で48.8%、父親で13.8%となっています。この他にも、1000以上の相談事例を分析した結果、「経済的困窮がある」家庭が約60%を占めていたという報告もあり、家庭の経済状況と虐待の関連が指摘されています。

児童相談所における児童虐待相談対応件数の推移グラフ。平成2年は1101件。平成16年は33408件。平成26年は88931件。令和2年は205029件。令和2年度児童相談所での児童虐待相談対応件数より参照。https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000824239.pdf

子どもの自殺

2020年の1年間で、499人の小中高校生が自殺しています。

文部科学省の発表によると、2020年の1年間で、499人の小中高校生が自殺しました。これは過去最悪の数字です。特に、高校生の自殺が多く、夏休み明けの8月には、前年の8月と比べて倍増しています。
この数年の子どもの自殺者数は、過去最悪を更新しつづけていましたが、2021年には473人と減少に転じています。

児童生徒の月別自殺数のグラフ。文部科学省「児童生徒の自殺対策について」より参照。https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000900898.pdf

不登校

不登校児童生徒数は20万人

文部科学省によると、小・中学校における長期欠席者のうち、2020年度の不登校児童生徒数は20万人(前年度18万人)です。中学生は13万人、小学生は6万人が不登校だと報告しています。
児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は20.5人(前年度18.8人)です。
不登校児童生徒数は8年連続で増加していて、過去最多となっています。

小中学校の不登校児童生徒数(1000人当たり)のグラフ。令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生活指導上の諸課題に関する調査結果より参照。https://www.mext.go.jp/content/20201015-mext_jidou02-100002753_01.pdf

いじめ

いじめの認知件数は52万件

文部科学省によると、2020年度の小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は52万件(前年度61万件)です。
前年度に比べ10万件(15.6%)減少しているものの、児童生徒1,000人当たりの認知件数は39.7件(前年度46.5件)にものぼります。

ブラック校則

今の10代は、親世代よりも厳しい校則に苦しんでいます。

2017年に大阪府立高校に通う生まれつき茶髪の生徒が、学校から過度の黒染め指導を受け
裁判を起こしたことがニュースとなり、校則についての関心が高まりました。
この裁判をきっかけに発足したブラック校則をなくそう!プロジェクトの調査では、
多様化し個性を認め合う社会の変化とは真逆の、理不尽な校則や指導に苦しむ子どもたちの
実態がわかりました。

少子化

子どもが生まれなくなっています。

第1次ベービーブームの1949年には約270万人の子どもが生まれていましたが、2016年には100万人を切りました。
厚生労働省によると、2021年の出生数は81万人で、前年の84万人より3万人減少しています。
出生率(人口1,000人当たり)は6.6で、前年の6.8より低下しています。
このままでは、働き手が減少し社会保障制度が維持できないなど、少子化が日本の将来にとって大きな課題です。

出生数及び合計特殊出生率の年次推移グラフ。昭和22~24年、第一次ベビーブーム。昭和24年(1949年)は最多の出生数2696638人。昭和41年(1966年)はひのえうまで出生数1360974人。昭和46年~49年、第二次ベビーブーム。昭和48年(1973年)最多の出生数2091938人。平成17年(2005年)、最低の合計特殊出生率1.26。令和3年(2021年)の合計特殊出生率は1.30、最小の出生数811604人。参照は「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より。https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/

Vision

すべての子どもが
夢や希望を持てる社会へ

キッズドアの学習会に通いはじめる子どもたちに、「将来の夢は何?」「どんな仕事をしたいの?」と聞くと、「夢なんかない」「仕事なんかしたくない。大変そうだし。大人になりたくない」と答える子がいます。そのような子どもたちは、勉強をするモチベーションも乏しく、頑張ることができません。

貧困な子どもたちに、「本人や親がもっと頑張ればいい」と安易に考えてしまいがちです。「頑張る」というのは、「頑張って!」と応援してくれる人がいて、つまずいたら手を差し伸べてくれる人がいて、上手くいった時に「すごいね、できたね」と褒めてくれる。その繰り返しから、「嫌なこと、苦手なことでも努力すれば成果が出る」と実感して初めて、頑張れるのです。親も子も、毎日をぎりぎりで生きる中で、頑張るトレーニングができないのなら、私たちがそこを補います。

私たちが日々向き合う子どもたちは、本当は、大学に行きたい、留学したいけれど、毎日身を粉にして働いて、それでもお金の苦労をしている親御さんをみて、そんな「夢」や「希望」を言い出せない、優しい子どもたちです。

不登校、いじめ、障がい、外国にルーツがある、そんな差別に苦しんで、将来に夢や希望を持つことがとてもできない子どもたちもいます。

今、日本中でたくさんの子どもたちが困っています。子どもを助けられるのは私たち、大人しかいません。困っている子どもを助けるのに、特別な理由などいりません。

どんな境遇に生まれても、夢や希望を持って、生き生きと成長できる、子どもの笑顔があふれている、私たちはそんな社会の実現を目指しています。

キッズドアの学習会に通う前後の意識の変化のグラフ。「頑張れば報われる」について、「とてもそう思う」は通塾前が24.7%、通塾後は40.4%。「そう思う」は通塾前後ともに43.2%。「あまりそう思わない」は通塾前が24.0%、通塾後は15.1%。「そう思わない」は通塾前が8.2%、通塾後は1.4%。

Mission

キッズドアは、
子どもと社会をつなぐドア
子どもが幸せに成長できる
社会を作ります
  1. どんな環境にいる子どもたちにもフェアなチャンスがある社会システムを作ります。
  2. 社会システムの隙間に落ちている子ども達に支援を届けます。
  3. より大きなチャレンジをしている子どもたちが大きく羽ばたくことを応援します。
  4. 企業、行政、団体、学校、地域、保護者など様々なステイクホルダーを結びつけるプラットフォームになります。
  5. 子どもは将来を担う存在であること、その子どもと家庭・地域を包括して支援することの重要性を常に社会に訴えかけます。