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みんなが語るキッズドア——キッズリビング(東京都足立区受託事業)

キッズドアがサポートしているひとり親家庭、生活保護、生活困窮者世帯など。サポートを開始してから年々多くの小学生~高校生世代までのこどもたちがキッズドアの学習会に参加しています。2022年度は2,000人を超えました。勉強を学ぶことに加えて、行き場を失った生徒の居場所づくりにも力を入れています。東京や千葉、埼玉、東北とそれぞれの教室ごとに特色があります。

キッズドアが足立区より受託して取り組むキッズリビングが実際どのようにされているのか聞いてみました。

——キッズリビングの特徴を教えてください。
東京都足立区からの受託事業で区内在住の経済的な課題を抱える世帯の中学生から高校生世代までの子どもたちを対象に、月曜日と年末年始以外のすべての日を開所して支援しています。年間にすると300日以上は開所していることになります。主な支援は居場所支援、週2回の学習支援と自習スペースの提供、様々な体験活動、家庭向け支援の4つの支援を行っています。また、学習支援を行った後は毎日夕食を提供するなどしています。

——キッズリビングを運営していく中で力を入れていることはなんでしょうか。

子どもたちへの支援と言っても様々なことがあります。そのような中、特に大事にしているのは、居場所支援と子どもたちの納得感の2つです。子どもたちが継続的に通ってくれないと様々な支援を行うことが難しくなってしまうため、子どもたちが安心して楽しく過ごせるように心がけています。心理的安全があってこそ、子どもたちがのびのびと過ごすことができ、本音を言葉にすることができます。すべてのスタッフは子どもの言葉を聴くこと、通い始めてどのような変化が表れたかなどに注意を払い、子どもたち一人ひとりに合わせて支援へとつなげていきます。居場所の中では大学生やスタッフが肯定的な関わりをしたり、漫画やボードゲームを置くことで多様なコミュニケーション手段で関わることができたり、他の子どものことが気になってしまう子でも過ごしやすいようにレイアウトも工夫するようにしています。

もう1つ大事にしているのは子どもたちの納得感です。特に学習支援の中で大事にしています。学習で子どもたち一人ひとりに合った学習計画を立てて、それぞれが目標を達成できるよう進めていきます。その中で、一緒に計画を立てる際に支援する大人や大学生のスタッフは、目標を達成するために必要な勉強量をこれまでの経験から分かっていることも多いため、計画を支援者が決めることができると思います。しかし、それでは子どもの自立心が失われてしまいます。そのため、キッズリビングでは目標の設定から一緒に考え、小さな成功を何度も積み重ねていくように工夫をし、取り組みの内容が計画を立てただけにならないようにします。どのように継続して取り組めるのかを相談し合い、最後に子どもたちがこの計画なら大丈夫だと感じるまで丁寧に時間をかけて個別の学習計画を立てるようにしています。

——これまでうれしかった出来事はありますか。
最近嬉しかったのは、キッズリビングが始まったころに利用していた子どもたちが社会人や大学生や専門学生になって働いていたり、勉強をしたりしている中でボランティアやアルバイトという形で戻ってきたことです。その子たちに聞いてみると、「自分は楽しく過ごせて今大人になってきているから、今度は自分たちが後輩たちに同じように楽しく過ごせたなと感じてもらえるようにしていきたい」ということを話してくれました。このように卒業した子どもたちが支援者となって次世代の子どもたちに支援を紡いでいくという良い循環ができてきているのは本当にうれしかったです。

——今後の展望はありますか。
子どもたちを取り巻く環境は新型コロナウイルスがまん延していた時から変わらず、今も大変な状況です。特にこの夏休み期間は、学校給食がないため食事の提供量が普段の3倍近くになります。さらにこの猛暑の中家ではエアコンをつけることができないということからエアコンがついて涼しい居場所学習会に来て涼みながら宿題をやるという子たちもたくさんいます。
次に体験格差についてです。キッズリビングの子どもたちは学校外の体験であるキャンプや水族館なども十分に行けず、今年から再開した夏祭りに関しても行くことはできてもお小遣いが少なく屋台で食べ物を購入することも満足にできないということがあります。そのため、体験活動が満足にできていない子どもたちにたくさんの体験活動をしてもらうためにも精一杯の活動を継続していこうと思います。

——最後にこれからの意気込みをお聞かせください。
キッズリビングは子どもたちの居場所であるとともに、将来社会で自立して生きていくための力を蓄えることができる場所です。この場所をたくさん子どもたちに利用してもらい、社会で活躍してほしいと思っています。また、この場所を運営するにも多くの方や企業の方に協力いただいています。感謝の気持ちでいっぱいです。大変ありがとうございます。引き続き、一緒に活動を通して子どもたちに支援を届けていただけると嬉しいです。自分自身もこれまで以上に子どもたちが夢や希望を持てる社会になるように、まずはキッズリビングの子どもたちに夢や希望をもって社会に出ていけるように頑張り続けたいと思います。

——いろいろとお聞かせいただき、ありがとうございました。