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ごはん応援プロジェクトレポート!「虹花」
キッズドアでは、「食」で子どもを支える活動のための「ごはん応援プロジェクト」を行っています。
本プロジェクトの支援対象はひとり親家庭をはじめとした要支援世帯のこども等であり、こども食堂等を実施する団体に対する助成事業です。
2024年度、全国から多数のご応募をいただきました。プロジェクトに参加されたきっかけや日頃の活動について一部団体をレポートします。
今回は、鹿児島県で活動されている特定非営利活動法人虹花様をご紹介いたします。
【団体概要】
団体名:特定非営利活動法人 虹花
代表者:馬場 里美
所在地:鹿児島県南九州市知覧町郡128-1
活動内容:2021年4月から南九州市にて放課後児童クラブ「ガーベラ」・放課後デイサービス「カスミソウ」を開所し、小学生を中心とした居場所作りや療育を行っています。同年6月に子ども食堂「フリージア」をスタートし、ひとり親家庭や貧困家庭などに食事支援をしています。
【こどもの選択肢を増やすための新たな挑戦】
以前、保育士として働いていたので子どもの育児や地域の教育に関することは、常日頃から自然と耳に入ってくるような環境でした。当時から経済面で苦労をされているご家庭について気になりながら過ごしていましたが、長年勤めていた保育園の児童クラブが2019年に閉所してしまいました。
児童クラブがなくなれば通っていたご家庭や子どもたちが困ってしまう状況だったため、保育園の園長先生やボランティアさんなどと協力しながら別の場所で子どもたちをボランティアで預かっていました。続けていく中で、さらに「夏休みや冬休みの長期休みにも子どもを預かってほしい」というご要望もあり、子どもたちの居場所を作るためにNPO法人を立ち上げました。居場所を開所し、子どもたちの選択肢が増えたことで、子どもに合わせて行ける場所を少しでも選べるようになったのではないかと思います。活動をしている中で、子どもたちとの関わりの難しさを感じることもあるので研修等を受けて勉強しています。
また、保護者の方からは「子育てに自信がない」、「何をしたらいいのかわからない」という声も多く、保護者支援も必要と感じます。団体や居場所の存在が周知されてきたので、社会福祉協議会や南九州市との連携や地域の繋がりを通じてご家庭や子どもたちへの対応をしています。
【いつでも駆け込める居場所を地域に】
子ども食堂では、ひとり親世帯の利用が多いですが、二人親世帯でも事情があって仕事が続けらず、学用品が買えなかったり、毎日カップラーメンを食べて過ごしていたりするという話も聞きます。十分な食事が取れていない子どもたちがいるのが気がかりで、食事支援やフードパントリーをしたいと考えるようになりました。困り事を抱えているご家庭や子どもたちが、困った時にいつでも駆け込んでくれる居場所を作りたいと思い、子ども食堂の活動としてごはん応援プロジェクトに応募しました。
現在、子ども食堂を月1回開催し、子ども50食、大人70食、毎食120食作っています。利用されている方と情報交換をしながら、子どもたちの変化を見られる機会になっていて、嬉しそうに食べる子どもも多く、生き生きとした姿が見られます。
周知のためにインスタグラムで知らせたり、銀行や公民館、ドラックストアや居酒屋など地域の商店街にチラシをまいたりすると多くの参加者が集まります。月1回と限られた回数での開催のため、当日来られなかった場合は別の日も支援品のみ配布しています。
【優しいお弁当とつながる輪】
ボランティアさんと協力し、子ども食堂開催日の1週間前からお弁当の献立作りを始めます。鹿児島のネットワークや地域の繋がりで食材を頂けるので、その食材で何を作るのか考えつつ、必要に応じて追加で食材などの購入をしています。お弁当は栄養面を考えて野菜中心に作っていて、子どもたちには「身体に優しいお弁当」と伝えています。
子ども食堂の開催当日にはボランティアさんが15人程度集まり、準備から片付けまで手伝ってくださっています。ボランティアさんは、地元の高校生や大学生、スタッフの友人や高齢の方まで、幅広い世代で参加してくださり、世代間交流もあって楽しい雰囲気です。参加すると「毎月来たくなる」という声を聞き、ボランティアさんの居場所にもなっているのかなと思います。ボランティアさんには毎月ハガキで御礼と来月の予定を伝えています。
また、食べることはとても大切なことなので食育にも力を入れています。ボランティアさんと一生懸命お弁当を作ったことを伝えたり、野菜が多くても食べ慣れてきたりすると野菜嫌いな子どもも食べてくれます。子どもたちがレシピを聞いてくることもあり、教えると実際に作ったと報告してくれることもあります。子ども食堂に来ることで地域の情報交換をしたり、新たなコミュニティも生まれたりして、活気づくのを感じます。
【知覧町で育み、未来へつなぐ】
これまで3回「ごはん応援プロジェクト」に参加させていただき、食事を通じて直接支援ができて、スタッフとしても有り難く、子どもたちの喜ぶ顔を見られて感謝の気持ちでいっぱいです。子ども食堂という場があることで、子どもたちにも地域の方々の温かさが伝わっているのではと思います。
これからも子ども食堂を通じて、食べる大切さや食べることの楽しさを味わってもらいたいです。地元の新鮮な野菜や魚、肉などを食べて食習慣が良くなって、お腹を満たすことで気持ちも様変わりします。また、一人で食べるのではなく、誰かと会話をしながら、うれしかったことや楽しかったこと、悩みや相談事を話すと元気になるのではと思います。
この地域、知覧町で関わった子どもたちが困ることなく、社会に出られることを目指しています。そのために、子どもたちが居心地の良さを感じる居場所作りをして、笑顔で過ごせる日々を作っていけたらと思います。それぞれのご家庭で様々な背景がありますが、子どもには選択の幅を広げ、明るい未来を進んで生き生きとしてほしいです。
ゆくゆくはこの地域で生産された食材を使って食事を提供し、地域活性につながる活動もできたらと思っています。まずは、食べることで子どもも、大人も元気になってもらい、たくさんの人と繋がり、学び、成長できればと思っています。今後も虹花の歩みを止めることなく、活動をしていきます。
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