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ごはん応援プロジェクトレポート!「メダカのお弁当」
キッズドアでは、「食」でこどもを支える活動のための「ごはん応援プロジェクト」を行っています。
本プロジェクトは、ひとり親家庭など支援を必要とする世帯のこどもを対象に、こども食堂などを運営する団体への助成を行うものです。2025年度は関東甲信越地域から多数のご応募をいただきました。
今回は、神奈川県で活動されている「特定非営利活動法人メダカのお弁当」様の取り組みについて、鈴木雄大様・佳奈子様ご夫婦にお話を伺いました。
【団体概要】
団体名:特定非営利活動法人メダカのお弁当
代表者:鈴木雄大
HP:https://medakabento.com/
所在地:神奈川県相模原市中央区相模原2丁目12番21号
活動内容:
2022年4月に任意団体としてお弁当の無償提供という活動スタイルでスタートし、2022年11月にNPO法人化。 以降、神奈川県相模原市および伊勢原市を中心に、子どもと家庭の孤立を防ぐことを目的に、無償の食事提供・学習支援・文化体験などの活動を幅広く展開しています。 主な活動として、365日無休での手作り弁当の無償提供(1日約20食)「メダカのお弁当」、月1回のコミュニティ型子ども食堂「メダカの食堂」、家庭向け食材支援「メダカのパントリー」を運営。現在では、毎月のべ200世帯以上を対象に支援を実施しています。
助けてもらった多くの方への感謝の気持ちから「恩送り」として支援を開始
2001年に本業として夫婦で有料の学習塾をスタートしました。当初想定していたよりも様々なことが起こり、経営的にも厳しい時もあり、運営の難しさを実感しつつ継続できたのは多くの方に支えられてきたからです。何か恩返しをしたいと考えたのですが、お世話になった方々からは「その想いがあるなら私たちではなく、社会に対して何かしら活動してみては?」の一言で、恩返しではなく「恩送り」として支援活動を始める決心をしました。
今では本業の有料塾の傍ら無料塾による学習支援の運営、加えてお弁当提供の「メダカのお弁当」、こども食堂の「メダカの食堂」、そして食材支援の「メダカのパントリー」を実施しています。

有料塾と無料塾のこどもたちの違いがきっかけに
無料塾を始めた当初、有料塾の生徒と無料塾の生徒の学力・生活環境の差に衝撃を受けました。長年の塾講師経験で、子どもたち の「素の顔」を知っていると思っていましたが、それは裕福な家庭の子どもたちのごく一部に過ぎませんでした。無料塾に来る子どもたちの中には、例えば家にエアコンがないとか、食べるご飯もないとか、そのようなこどもたちを目の当たりにして、これは何かできないかなと気持ちの高ぶりを感じました。
そこで、数年前から食事支援として「メダカのお弁当」を開始しました。
子ども食堂は基本的には学校が終わってからの時間帯になるため、本業の塾とバッティングするので、それであれば朝にやろうということでお弁当配布を始めました。
お弁当を配布しているうちに、お弁当だと限られた人にしか提供できていないのではと思い、ひとりでも多くの人にと食材提供の「メダカのパントリー」へと繋がっていきました。お弁当と食材配布の支援は対象を「本当に困窮する子ども・ひとり親世帯」に絞り事前予約制にしています。取りに来ていただく時間枠を30分にして対面配布することで、並ばずプライバシーに配慮しつつ、また面談を通じて困りごとを聞き取ることができています。

「今」を整える食支援から「未来」へ
食支援は「今」が整っていないことへの支援であり、とても重要だと認識しているのですが、一方で「未来」を考えることもとても重要なことだと考えています。そういった意味でも「今」を整える食支援の実施と「未来」につながる無料塾の支援が大切ではないかと思っています。
神奈川県の中では人口減少とともに支援を必要とする地域がほかにもあり、そのような地域では有料塾は成り立ちません。一方、そのような地域では無料塾のニーズがあるのではないかと考えています。そのため、食支援と学習支援を一体的に提供しています。さらに、2026年3月には「進学就労フェア」を開催予定です。
積極的なSNS発信を機に複合的なこどもの支援へ
広報活動としては当初はとにかく積極的なSNS発信をしました。その後、相模原市社会福祉協議会の情報交換会にも参加し、助成金・物資寄付・行政後援を獲得できるようになってきました。
また、公益財団法人「神奈川いきいき市民基金」の助成団体としてのフォーラムへの登壇なども行っています。
支援している子どもたちを見ている中で、もちろんいろいろな子どもとめぐり会います。児童虐待や生活保護の疑いがあるケースは市と連携するようにしています。ただし、ご家庭によっては行政介入を嫌う家庭もあり、そのバランスに苦慮するという側面もあります。また、近年、発達障害や不登校の子どもたちが増加していることを実感しています。こうした複合的な課題に対応するため、夫婦で「さがみはらこどもの居場所サミット」法人を新たに設立しました。
医療機関や発達支援団体との連携も深め、複合的な子どもの困りごとを多様な団体・行政と連携してワンストップで支援できる拠点を目指していきたいと考えています。
次なる挑戦はアウトリーチ(届ける支援)
この度、別の企業の助成で車両助成の申請をしたのですが、これが実現すれば、本当に支援が必要でありながら、様々な事情で食材等を取りに来ることができない家庭にも手を差し伸べることができると思っています。また、ご家庭を訪問することで、実情を知れてこれまでよりも深いコミュニケーションができるのではと考えています。
30分制パントリーで培った対話のノウハウを、さらに発展させることができると思い期待しています。

インタビュー後記
自分たちが困ったときに支えられた恩を、今度は困っている子どもたちに送る。その子どもたち が将来、また別の誰かを支える──そんな温かい循環が、相模原の地で確実に生まれています。車を持てずに自転車とレンタカーで県内8教室を回り、365日無休でお弁当を作り続ける鈴木ご夫婦の姿勢は、「あなたも『恩送り』の輪に加わりませんか?」と私たちに問いかけてきているようでした。
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