<支援を考える>
人との出会いで人生が変わる
キッズドアの教室に最初に来てくれたときは、「何でこんなところに来なきゃいけないんだ」とか、そういう感想を持つような子も多いです。
でもその子たちがキッズドアにいる大学生スタッフや、年齢が近い身近なロールモデルと接する中で、「自分も大学に行ってみようと思うようになったから、ちょっと受験勉強してみたい」と言って、本当に大学受験を合格していくというようなことがたくさんあります。
「自分なんて本当に何をやってもダメだ」ってずっと思ってたけど、キッズドアの教室でスタッフが「これすごいじゃん」「こんなのできるんだ」とか「これが得意ってすごいね」とか言ってくれるから、自分に自信が持てて、そこから色々やりたいことが見つかったという子が本当に多いです。
ロールモデルを見つけて自分の可能性に気付く
将来、放射線技師とかそういう医療系の方に進みたいという子で、もう最初から志望校を具体的に決めている子がいました。そこに向かって推薦入試とかで大学受験したいね、ともともと話をしていたんです。
でもその子も1年間教室で過ごす中で、大学生のスタッフさん達が色んな大学に行っていて、そこから色んな話を聞いて、最初は志望校まで決めていたけど、もう少し上位の大学にチャレンジしてみたいと思うようになったということを言ってくれたりもして。そういう変化を見ていると、ここまで関わってその子のやりたいことも可能性も、引き出すことができてよかったなと思います。
キッズドアに関わってくれることで、「自分ってこういう可能性があるんだ」とか「こういうことやりたいって言ったら、応援してくれる大人がいるんだ」ということを、子どもたちにもっと知ってほしい。そしていろんなことにチャレンジできるようになっていくというのが、理想だと思っています。
自分の居場所とやりたいことを見つける
その子は高校3年生の子で、大学受験を一緒に1年間やってきたんですけど、推薦入試を受けた形だったので、面接対策とかを一緒にやってたんですね。その面接の練習のときから、「子どもの貧困に興味を持った」ということを言っていて。
小学生・中学生の頃に地域の児童館とかには行っていたけど、高校2年生までは自分の居場所がないってずっと思ってたと言っていて。高校3年生になってキッズドアの教室に来てくれてから、初めて居場所ができたと言ってくれました。そこから自分と同じような子をもっと増やしたいと思ったそうです。
とあるプレゼンイベントのときに、尊敬できる大人が見つかったって、私の名前を出してくれて。じゃあ大学生になったら、私の教室で一緒に活動しようよと言っていました。
今は自分よりもスタッフの大学生達がロールモデルになってほしいと思っていて、彼らを見て、子どもたちも「こうしてみたいな」と思ってもらうことが大事だと思っていたんですけど、私みたいになりたいとかって言ってくれる子もいたから、そのときはすごく嬉しいなと思いましたね。