貧困・教育格差・虐待…
これらの課題は、遠い国だけの話ではありません。
一見、豊かに見える日本社会にも様々な課題に苦しむ子ども達がいます。
子どもの貧困
貧困に苦しむ子どもが、日本にもたくさんいます。
日本の子どもの約9人に1人が貧困
子どもの貧困は大きな社会的課題です。貧困は様々な事象の原因となります。
2022年の国民生活基礎調査によると、日本の子どもの貧困率は11.5%です。約9人に1人の子どもが貧困に苦しんでいることになります。日本において相対的貧困状態とは、一人あたり127万円/年(新基準)以下で暮らす生活にあることです。(平均世帯年収としては、日本全体では546万円、児童のいる世帯では785万円、母子世帯では328万円です。)
また、ひとり親家庭の貧困率は44.5%となり、約2人に1人は貧困です。
教育格差
保護者の経済状況が子どもの学力に影響しています。
家庭の経済力が生む貧困の連鎖
OECDの発表によると、日本の教育への公的支出(対GDP比)はOECD加盟国の平均以下です。 つまり、日本では教育にかかるお金を家庭が負担しています。(文部科学省によると、すべて公立へ通わせた場合、大学卒業までにかかる費用は約770万円です。)
文部科学省の調査結果(子どもの学習費調査)からは、世帯の年間収入と学習費総額には相関があるということが明らかになっています。日本では、子どもの学力が家庭の経済力によって左右されてしまうのです。
体験格差・IT格差
子ども達の体験やデジタル環境が将来の収入に影響します。
スポーツ・文化・ITツールの
使い方の格差
学力向上には、スポーツや文化などの体験活動が大切だと言われています。しかし、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン「子どもの『体験格差』実態調査 最終報告書」によると、年収が300万円未満の家庭の子どもの約3人に1人は、1年を通じて学校外の体験活動を全くしていないことが示されました。また、最近では宿題にパソコンやインターネットを使うことが増えているため、ITの使い方に差が生じ、それが学力の差につながっています。
こうした格差も将来的に経済的な格差につながる可能性があります。
不登校
不登校児童生徒数は過去最多の30万人近くになります。
1学級(35人)に1.1人が不登校
文部科学省によると、小・中学校における不登校児童生徒数は299,048人(前年度244,940人)で、前年度から22.1%増加し、過去最多となりました。
児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は32人(前年度26人)です。
過去5年間の傾向として、小学校・中学校ともに不登校児童生徒数及びその割合は増加しています。
虐待・ネグレクト
1週間に約1人の子どもが虐待で命を落としています。
1週間に約1人の子どもが
虐待で命を落としています
2022年度に児童相談所が対応した虐待件数は22万件近くになり、前年から5.5%増加しています。こども家庭庁によると2021年度の虐待による死亡事例は50人、1週間に約1人の子どもが命を落としています。
虐待死のあった「ひとり親(同居者なし)」家庭では「生活保護受給世帯」や「市区町村民税非課税世帯」が多く、家庭の経済状況と虐待の関連がうがかえます。
子どもの自殺
2022年の1年間で、514人の小中高校生が自殺しています。
毎日約1.4人の小中高校生が
自ら命を絶っています
厚生労働省によると、2022年1年間の小中高校生の自殺は514人、統計がある昭和55年以降で初めて500人を超え、過去最多でした。
高校生が全体の68.9%を占め、特に「男子高校生(全日制)」が最も多く、高校生全体の45.5%を占めました。
外国ルーツの子ども
言語の壁が進学や就職へ大きく影響しています。
日本語を充分に話すことができず
進学や就職に影響が出る
文部科学省の調査によれば、公立学校で日本語指導が必要な児童生徒は全国で5.8万人で、この数は年々増加しています。多くの海外ルーツの子ども達は、言語の壁の問題に直面し、学校の授業についていくことが難しい状況にあります。日本語を充分に話せないことが、進学や就職に影響を及ぼす教育格差の要因の一つになっていることが明らかになっています。
ひとり親世帯の貧困
日本の貧困母子世帯はワーキングプアです。
母子世帯と父子世帯の
平均年間就労収入
厚生労働省の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯の母親の就業率は86.3%と高いにもかかわらず、母親自身の平均就労収入は236万円で父子世帯の2分の1以下の収入しか得られていません。
これは、男女の賃金格差や正規雇用が少ないことが要因となっていて、働いているにも関わらず母子世帯が十分な収入が得られていないことを示しています。
キッズドアは、これらの課題に対して
子ども・家庭・社会の側面から必要なアプローチを行っています。
どんな境遇に生まれても、夢や希望を持って、生き生きと成長できる、
子どもの笑顔があふれている、私達はそんな社会の実現を目指しています。