子どもの貧困

child poverty

貧困に苦しむ子どもが、
日本にもたくさんいます。

お金がかかることはしたくないので、高校に入ってからは友達と遊ぶのも避けたいので友達自体作っていません。

キッズドアの学習会に通う生徒

大学受験の費用をアルバイトで稼がなければならなかったため、部活に入ることを諦めたり、睡眠時間が十分に取れなかったことなどが辛かったです。

キッズドアの学習会に通う生徒

物価高騰により食料の質をさらに落とすしかなく、育ち盛りの子どもに栄養不足を感じます。学校の健康診断でも子どもは痩せすぎで注意を受けましたが、どうしようもない状態です。

ファミリーサポートで支援を受ける
困窮子育て家庭の保護者

エアコンはアパートに備え付けですが、入居してから7年の間一度もコンセントを入れたことがありません。電気も極力つけていません。普通の家庭では想像できない節約をしています。

ファミリーサポートで支援を受ける
困窮子育て家庭の保護者

貧困に苦しむ子ども達やともに暮す保護者の方々は、日常・学校生活などで様々な困難を抱えています。
このページでは、日本における貧困とはどのような社会問題なのか、
貧困による社会への影響などについてお伝えします。

絶対的貧困とは

世界には食べ物や医療にアクセスできないため、赤ちゃんが生まれてすぐに亡くなる国が多く存在しています。
このような極度貧困状態は「絶対的貧困」と呼ばれ、2022年の世界銀行の定義では「1日に2.15ドル(日本円でおよそ320円※2024年3月現在)未満で生活すること」とされています。これは非常に深刻な問題であり、緊急の解決が求められています。

日本における
「相対的貧困」について

一方、先進国でも貧困が存在し、「相対的貧困」という基準で評価されます。この指標は、国民の所得を一番低い金額から高い金額まで順に並べ、中央値の金額を出し、その半分未満の所得で生活している状態を指します。

今日食べる物や寝る場所がないという状況にはないかもしれませんが、国民の大多数よりも貧しいため、「周りの人は当たり前に享受している生活が、お金がないために実現できない」ということが起こりうる状態を指しています。

日本における相対的貧困状態とは、年間の一人当たり所得が127万円未満(2021年新基準)の生活を指します。これは、月々の収入がおおよそ10万円かそれ以下で、本当にギリギリの生活をしている状況を意味します。

日本の子どもの貧困
について

今日の日本においても、子どもの貧困という問題は現実に存在し、貧困に苦しむ子ども達がたくさんいます。厚生労働省「国民生活基礎調査」(2022年)によると、日本の子どもの貧困率は11.5%一見豊かに見える現在の日本でも、子どもの9人に1人が貧困という深刻な社会問題が存在しています。これは、わずかな収入しか得られない世帯である結果、十分な食事や教育を受けることができない子ども達が多く存在していることを意味します。 

世界から見た「日本の子どもの貧困」

OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、日本はOECD加盟国のうちデータがある37か国の中で、子どもの貧困率が19番目に高い国とされています(2023年7月現在)。日本は経済的に豊かな国として認識されていますが、日本の子どもの貧困率は決して低くはありません。35人学級1クラスに約4人の子どもが貧困問題を抱えています。

深刻な母子世帯の貧困

ひとり親世帯の高い貧困率は大きな懸念事項です。厚生労働省「国民生活基礎調査」(2022年)によると、ひとり親世帯の貧困率は44.5%に達し、ひとり親世帯の子どものうち約2人に1人が貧困に直面していることが示されています。そして日本のひとり親世帯の貧困率はOECD加盟国のうちデータがある36か国の中で、ワースト5位とされています。

また、男女共同参画局の「男女共同参画白書 令和5年版」によれば、ひとり親世帯の約89%が母子世帯であることから、ひとり親世帯の貧困問題は主に母子世帯の貧困問題であると言えます。

※厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」をもとにキッズドアが作成

子どもの貧困を放置する
社会的損失は40兆円超

子どもの貧困は深刻な社会問題とされています。
なぜなら、貧困が健康問題や教育格差、虐待、自殺などのさまざまな問題の原因とされているからです。

日本財団の「子どもの貧困の社会的損失推計」によれば、子どもの貧困を放置することが経済的にも大きな影響を及ぼすことが明らかになっています。子どもの貧困を放置すると所得が42.9兆円失われ、財政収入が15.9兆円失われると試算されました。例えば、15歳の子ども達(2013年時点)のわずか1学年をとっても、経済損失は約2.9兆円に達し、さらに政府の財政負担は1.1兆円増えると推計されています。つまり4兆円の損失なのです。 

子どもの貧困は国をあげて取り組むべき課題

要するに、子どもの貧困問題に対して何もしないと、将来的に社会における支え手が減少し、一方で社会の支えを必要とする人が増加するため、生活保護などの支出が増加し、最終的には社会全体がそのコストを負担しなければならなくなります。

したがって、今、子どもの貧困対策をしっかりと行えばこれらの損失はなくなりますので、子どもの貧困対策は日本の社会全体において非常に意義のある取り組みなのです。

また、国連が策定した持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGsの1番目「貧困をなくそう」においても、『2030年までに各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる』という具体的な達成目標が設けられています。貧困は世界各国でも取り組むべき社会課題とされています。

「子どもの貧困」への
キッズドアの取り組み

キッズドアは、子どもの貧困という大きな社会問題を改善するために様々な活動をしています。子どもの貧困が、初めて社会的課題であると認識されたのは2008年だと言われており、それより前の2007年から任意団体として子どもの貧困問題に取り組んできたパイオニアです。

子どもの学習支援から始まった活動は、コロナ禍の影響や社会環境の変化に合わせて、様々な領域に拡大してきました。子ども達に様々な体験やキャリア教育を提供する活動に加え、保護者や家庭に対しても、生活に必要な物資や情報の提供、就労支援を行っています。また、子どもの支援に取り組む他団体に研修や助成を行うパートナー支援も開始しました。

さらに、キッズドアの活動や独自の調査を通じて見えてきた子どもの貧困の実態や課題を広く社会に発信し、必要な支援について提言することで、子どもを取り巻く環境の改善につなげています。

このように、キッズドアは、子ども達が直面している課題に対して、子ども‧家庭‧社会の側面から必要なアプローチをおこなっています。どんな境遇に生まれても、夢や希望を持って、生き生きと成⻑できる、子どもの笑顔があふれている、私達はそのような社会の実現を目指しています。

3つの主な事業

学習支援・居場所支援事業

ファミリーサポート事業

調査・提言・啓発事業

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皆様のサポートにより、子ども達に貧困の連鎖を断ち切るための学習の機会や、困窮子育て家庭に物資・情報・就労などの支援を提供できるようになります。困窮する日本の子ども達とそのご家庭を支えるために、ご支援をお願いいたします。

参考データ

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子どものために

Achievements

長年続けてきた活動が、
確実に実を結んでいます。

  • 学習支援を届けた生徒

    2,078

    2023年度の実績

  • 開催した学習会

    5,949

    2023年度の実績

  • 支援を届けた子どもと親

    603,860

    2023年度 情報・物資等支援 延べ人数

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