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ごはん応援プロジェクトレポート!「学び舎楽人」
キッズドアでは、「食」で子どもを支える活動のための「ごはん応援プロジェクト」を行っています。
本プロジェクトの支援対象はひとり親家庭をはじめとした要支援世帯のこども等であり、こども食堂等を実施する団体に対する助成事業です。
2024年度、全国から多数のご応募をいただきました。プロジェクトに参加されたきっかけや日頃の活動について一部団体をレポートします。
今回は、長野県で活動されている一般社団法人学び舎楽人様をご紹介いたします。
【団体概要】
団体名:一般社団法人 学び舎楽人
代表者:曽根原 裕美
所在地:長野県岡谷市長地小萩2-10-6
事業内容:長野県岡谷市に無償で子どもの居場所支援や学習支援、一部有償として一般的な学習塾も展開し、子どもの育成に関する活動を主としています。また長野県諏訪郡下諏訪町、塩尻市でも活動を展開しています。
夏休みの平日のお昼ご飯提供を行ったスタッフの様子
【参加者の声をカタチに】
プロジェクト参加のきっかけとなったのは、ひとり親家庭の子どもが居場所に来たお母さんと食事の話になったのが始まりです。そのお母さんは心身の健康を崩しやすいようでほぼ毎日コンビニで買って済ませていることがわかりました。何か役に立ちたいという気持ちが抑えられず、お弁当を作ったり、食材をあげたりしている中でいろいろと調べるうちに、子ども食堂の存在を知りました。そのひとり親家庭に限らず、地域には同様に食事に困っているのではと考えるようになりました。
現在では月に2回、岡谷と下諏訪エリアで子ども食堂を行い、毎回100食ほど作っています。参加者はひとり親家庭(母子、父子)や多子家庭です。最近は物価高の影響でお買い物に苦労されている話をよく聞き、ご飯類やお野菜などの腹持ちの良い食べ物を希望されることが多いです。
保護者の立場からは、「子どもにお菓子を買うのに3回に1回しか買ってあげられない」、「ガソリン代が高くて遠くに連れて行ってあげられない」など切実な声を聞きます。一方で、子どもの立場からは、「お菓子も満足に買ってくれない」、「どこにも連れて行ってくれない」と不満を漏らす声を聞きます。子どもに我慢ばかりさせてしまっていることが気がかりな保護者も多いです。
金銭面での直接的な支援はできませんが、学用品のリユースを取り扱い、サポートもしています。例えば、ご寄付としていただいた小学生が活用できる国語辞典やピアニカなどです。子どもの服や学用品などは活用できる期間が短いことも多いので、リユースすることで喜ばれる方は多くいますし、物を大切にして活用する価値を子どもたちに理解してもらえるよい機会になるのではと考えています。
夏休みの平日のお昼ご飯提供の様子。11日間開催で、1日平均53名参加でした。
【みんなで支え合う輪を行政と共に】
たくさんの人に子ども食堂をご利用いただきたいと思っていますが、知らない場所に行くのはハードルが高いようで思ったほど積極的に参加されていないのが現状です。そのため、このプロジェクトを始めるにあたり、行政との連携を中心に活動したいと考えてスタートしました。行政の担当者に連絡を取り、「一人でも、一家庭でも多く、お困りのご家庭やお子さんがいるご家庭にご利用いただきたい」という旨で打ち合わせをしました。参加者を増やすためにはどうしたらいいか相談し、児童扶養手当の現況届を提出される際、個別面談をして申請を受け付けるという話を聞き、そこでチラシを配布してご案内してもらいました。
本当に困っている方々には、複数回アプローチを重ねてやっとつながるので、チラシを配って目にする機会が増えると少しほぐれることがあります。新規に参加してくれる人が一歩を踏み出してもらうためには、行政と連携し、行政を経由してチラシを配ってもらうことで、子ども食堂に対する信頼度が増して、安心感を持ってもらうのも一つかなと思います。そのためにも行政との連携に力を入れて子ども支援の輪を広げたいと思っています。
広報活動を進めることで、初めての参加者が来てくれたり、つながりで知人を連れてきてくれたり、参加のハードルが下がり良い効果をもたらすことが多いと思います。しかしながら、岡谷エリアのひとり親家庭世帯の総数に対しての参加率は少なく、もっと広報活動、継続な活動が必要と感じています。効果的な広報活動について行政に相談しながらさらに連携を深められればと思います。
開催時間がせまり、間に合わせなくては! と、必死に盛り付けている様子。(112食作りました)
【子どもたちが喜ぶお弁当づくりの工夫】
子ども食堂では、より親しみやすく「わくわくキッチン楽人」として活動しています。参加者からは「本当にいつも助かります」や「一人で食べるのではなく、多くの人と食べるとおいしいし、楽しい時間が過ごせる」などの声をいただいています。参加者同士の交流が生まれ、地域のことや日常生活で活かせる工夫などの情報交換をしていて、実践していることもあると聞きます。家庭菜園を始めたり、実家の畑を耕して野菜を作ったりと新たなチャレンジをしているようです。食事支援や生活支援を多く担ってしまうと、利用している方の生活の質を下げることにもつながりかねないので、緊急度の高い時には直接的に物資支援を行いますが、自立も促しながら支援することも意識しています。
提供するお弁当は、子どもたちがお弁当の蓋を開けた瞬間に喜んでもらえるよう工夫しています。例えば、ハロウィンの時期ならスライスチーズをお化けの形にすると、それだけでも子どもたちは目を輝かせて喜んでくれます。毎回お弁当を楽しみにして、美味しそうに食べる様子を見てスタッフも力が湧いてきます。スタッフは活動を知って手伝いたいという人やその友人などが関わっていて、年代もばらばらで中学生や高校生も手伝っています。本当に多くの方の思いが結び付き「わくわくキッチン楽人」ができているなと実感します。
5月開催(子供の日にちなんで)まっくろ黒助のおにぎ りナポリタン レタスサラダ カマンベールチーズフライ
【ごはん応援プロジェクトの広がり】
ごはん応援プロジェクトのような助成金があることは大変有難いです。活動の幅を広げることができますし、喜んでくださるご家庭がすぐに思い浮かびます。
これまで3年ごはん応援プロジェクトの助成金を利用していますが、将来的には弊団体も助成金なしに自立をしないといけないと考えています。弊団体が助成金を受託できている反面、受けられなかった団体についても思いを馳せてしまいます。子ども食堂や子どもの居場所などの必要性は日本全国に目を向けるとまだまだたくさんあるはずです。
ごはん応援プロジェクトを通じて、活動を継続することができ、ご縁があって個人や企業の方とつながり、お野菜をくださったり、地方紙に掲載されたりと活動の広がりを感じています。
これからも支え合いながらもひとり一人が輝き、自立できる団体を目指していきます。
生活応援物資の袋詰め(31袋作りました)
10月開催お弁当と生活応援物資でお配りした中身の一部です。下にお米と乾麺、箱ティッシュなどが埋まっています。
8月開催 タコライス タコウインナー ジャーマンポテト 春雨サラダ
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