【開催報告】ゼロからはじめる子ども向け学習支援 ～地元団体の研修参加報告や活動から学ぼう！～ in 中部・北信越

キッズドアでは、2021年3月から三菱商事株式会社様のご支援を受け、生活困窮家庭の子どもへの支援に関心のある団体向けに「学習支援者スキルアップ研修」を実施してきました。

この度、中部・北信越エリアの学習支援者スキルアップ研修の成果報告会として、本イベントを新潟県新潟市で開催しました。本イベントでは、「学習支援者スキルアップ研修 in 中部・北信越」参加団体から３団体の代表の方にご登壇いただき、研修受講後1年間の学習支援活動をはじめ、団体としての様々な取り組みや研修の成果をお伝えしていただきました。

1団体目、新潟市中央区の金宝寺で学習支援、子ども食堂、運動教室を行っている「てらこやサンガ」の朝倉奏さまにご登壇いただきました。「私たちの無料塾は基本的に授業や講義はせず、自習スペースになっています。学校に行けない子でも、無料塾であれば来られる子もいて、家でも学校でもない居場所というのは大切なんだなと感じます。一般の塾にも行っているし将来の夢がしっかりあるような子も無料塾に来てくれる。地元の仲間と会える大事な場所になっているようです。居場所とは、自分自身が大切な存在なのだと感じられるところです。」と語られ、誰かのためにやっていることが自分のために、自分のためにやっていることが誰かのためになっていると感じられることが活動継続のエネルギー源だとお話してくださいました。

2団体目、新潟市北区で活動されている「ひまわり食堂」の草間静江さま、大学生ボランティアの中間あず美さまにご登壇いただきました。「家に居場所が無い子どもたちがいて、彼らに温もりのある居場所が必要なのでは？という気づきから居場所づくりを始めました。実際に子ども達と関わってみると、ご家庭の環境や友人関係の悩み、学習障害やネグレクトなど、さまざまな難しさを抱えていることがわかりました。孤食をしている子どもがいることもわかりました。子どもには心がホッとする場や時間が大切だと考えています。食事やイベントを通して、子ども達とスタッフ、そして地域とのつながりづくりを行っています。」と、子どもの課題に合わせた居場所づくりや地域住民による居場所づくりについてご紹介くださいました。

3団体目、長岡市で子ども食堂や学習支援をやられている「こどもみらい食堂」の日吉均子さまにご登壇いただきました。「体験型の子ども食堂の他、居場所型の無料学習支援を2019年から始めました。自由研究や書初め、宿題のサポートなどを行っています。一緒に取り組む、歩む、成長する、ということを大切にし、幅広い年代のボランティアさんにも協力してもらっています。そして地域全体で取り組む、地域で育てる未来を目指しています。子ども達をサポートできる期間は本当にあっという間です。学習支援待機者をなくし、スタッフやボランティアさんの確保と育成、支援者を増やすこと、そして地域広報活動を進めることが目標です。」と、“つないだ手と手をはなさない地域づくり“についてご紹介くださいました。

会の後半では、登壇者のみなさま、そしてキッズドア職員の玉木を加え、「こどもが集まる地域拠点のつくりかた」というテーマでクロストークを行いました。
親御さんが安心して預けられるスタッフとの関係性や、子どもが楽しく過ごせばそれを知った友達が一緒に来るようになるなど、人と人との関わり・つながりの中で人が集まってくるというヒントや、居場所の継続のためにはスタッフの確保や育成、モチベーションの維持が必要という課題について意見交換が展開されました。

今回のイベントを通じて子どもの学習支援への関心が深まり、地域に応援者が増えることを願って、これからも日本全国で活動を続けておられる団体のみなさまと共に、困難な環境に生きる子どもたちを少しでもサポートできるよう微力を尽くしてまいります。

なお、次回の「学習支援者スキルアップ研修 成果報告会」は、四国・中国エリアで活動を続けておられる団体のみなさまにご登壇いただき、12月上旬に開催する予定ですのでご参加いただければ幸いです。詳細が決まり次第お知らせさせていただきます。

〇てらこやサンガ
https://www.facebook.com/terakoyasyokudou/?locale=ja_JP
写真：「てらこやサンガ」朝倉 奏さま

〇ひまわり食堂
https://niigata-kodomo-ibasho.com/kodomo_shokudou/himawari/
写真：「ひまわり食堂」草間 静江さま（右）、中間あず美さま（左）

〇こどもみらい食堂
https://www.facebook.com/kodomomiraishokudo/
写真：「こどもみらい食堂」日吉 均子さま