みんなが語るキッズドア
- English Drive(オンライン学習) –
キッズドアの自主事業 英語に特化した「EnglishDrive」では、英語学習に加え、多様なメンターの方々と交流する機会によって学習意欲やコミュニケーション能力を向上させることができます。新型コロナウイルスの影響により、それまで通塾型だったEnglishDriveは2021年度から本格的にオンラインでの学習支援に取り組み始めました。物理的な距離がないオンラインでは全国に展開ができますので、これまではリソースが不足しがちな地方でも学習支援が可能となりました。現在は通塾型と完全オンライン型のEnglishDriveを実施しています。オンラインで英語の学習支援を行うに際して、どのような工夫や進め方をいているのか、担当者に詳しく聞いてみました。
―オンライン学習はどのように開催しているのでしょうか。
EnglishDriveオンラインはコロナ禍真っ只中の2021年5月に、全国の高校生を対象とするキッズドア初の完全オンライン型学習会として設立されました(時期により中3生も含む)。現在では週3回(月、水、金)の夕方に合計6クラスの学習会を展開しており、英検対策・英会話練習を主に実施しています。
EnglishDriveはもともと都内を中心に通塾型教室にて展開されていましたが、コロナ禍によりキッズドアの他の学習会と同様、EnglishDriveもオンライン開催を余儀なくされました。
その中で、英語とオンライン学習との親和性の高さ、そしてオンラインであっても対面学習時と同様に指導に当たるボランティアさんと良好な関係性を築けることがわかりました。
この「英語×オンライン学習」の強みを生かし、全国の高校生に学習機会を提供するべく、EnglishDriveオンラインは全国約40名の生徒とともに初回学習会を迎えました。
その半年後には生徒数が100名超に増え、現在でも130名近い生徒が学習会に参加しています。
日々の英語学習だけでなく、企業との共催オンラインイベントや地方の高校生を対象とした都内宿泊型の合宿など様々な活動を通して、生徒のモチベーションアップや視野の拡大にもつなげています。
―どのような生徒が利用していますか。
EnglishDriveオンラインは、2024年1月時点では、北海道から沖縄県まで31都道府県から中学3年生~高校3年生の生徒が集まっています。都内拠点の通塾型EnglishDriveには通うことのできない地方在住の生徒や、オンライン学習の方が自分のスタイルに合うという生徒がEnglishDriveオンラインを利用しています。
EnglishDriveオンラインで学習できる科目は英検対策と英会話学習のみですが、大学受験のために英検取得を目指す生徒、苦手な英語を少しでも好きになりたい生徒、オンラインゲームで知り合った外国の方と仲良くなるために海外文化や日常英会話を学びたい生徒など、その学習目的は非常に多様です。
EnglishDriveオンラインに通う生徒からは、「ボランティアさんと一緒に学習できるから、家で一人で勉強するより楽しい。」「EnglishDriveオンラインで出会った社会人のボランティアさんに英語だけでなく、仕事のことや生き方についても教わっている。」「英語はもちろんだが、日本語でも〈話す力〉が向上した。言葉を構成するのが前よりも上手くなったと感じる。授業中のトークで鍛えられたり、プレゼンに挑戦できたりする環境に巡り会えて嬉しい。」といった声をいただいています。
―オンライン学習で工夫や留意していることはありますか。
原則カメラオンで学習会に参加していただくようにしておりますが、様々な理由でカメラオフで参加する生徒がいます。その場合はまずオンにできるかを確認し、難しい場合はこまめに声掛けをすることにより、生徒が理解しているかを確認し、学習を進めております。
また、オンライン学習ならではの利点もあります。例えばオンライン学習ツールをすぐ生徒に紹介できたり、わからないことはすぐ調べられたりするので、この学習会を通して生徒には英語だけでなくオンライン学習に慣れることも目的にしています。
―これまで印象深い出来事はありますか。
これまでイベントも全てオンラインで開催していましたが、2023年3月に初の対面イベントとなる「EnglishDrive合同英語合宿」を都内で開催しました。EnglishDriveオンラインに通う地方在住の生徒と仙台EnglishDriveに通う生徒を対象とした東京での合宿を実施いたしました。合宿の交通費や宿泊費を含む全コストをBloomberg様からご寄付頂きました。
EnglishDriveオンラインのボランティアさん数名にもお越しいただき、生徒と交流していただきました。普段オンラインで一緒に学習する生徒とボランティアさんですが実際に会うのは初めてで、対面で出会えたことを喜び合ったり、お互いの近況報告で盛り上がったりする姿がありました。普段の学習ではオンラインであることに加え、学習時間が約1時間と限られているので、雑談が盛り上がったところで時間が来てしまうことがよくありますが、合宿では時間を気にせず交流を楽しみ、生徒とボランティアさんの絆がより深まっていました。
合宿後のオンライン学習では、「合宿楽しかったね!」と、生徒とボランティアさんが思い出話をしていたのも印象的です。
それ以外には、ある生徒は短期留学先で困ったことがあった際に、普段一緒に学習するボランティアさんにスタッフを通してアドバイスを求めたり、また別の生徒は準1級に見事合格した際に、先ず一番にボランティアさんに報告と感謝を伝えたりと、生徒がボランティアさんに対して「自分を応援してくれている」「いつでも頼って良いんだ」と信頼を置いている様子が伺えました。オンラインでも確実に絆が出来上がっていることが印象的でした。
―通塾型とオンライン型でのそれぞれのどのような違いはありますか。
通塾型、オンライン型、それぞれに長所・短所があり、どちらかのほうがより優れているということではないと思っています。
まず通塾型EnglsihDriveでは生徒が持ち込んできた教材を使用して学習を進められるため、定期テストや大学受験対策など、英語に関する幅広い分野での学習が可能です。一方で、通塾型の場合は教室の確保等の関係でオンライン学習よりもかかるコストが多く、全国展開をしにくいというデメリットもあります。
その点、オンライン型の学習会は通塾型に比べ低コストでより多くの、様々な地域の生徒に学習機会を提供できるというメリットがあります。また場所の制約がないためボランティアさんも全国各地からご参加いただけます。最近では海外から参加してくるボランティアさんもいらっしゃいます。
一方で教材を生徒とボランティアで共有するという点では難しさもあり、生徒一人ひとりがやりたい教材を持ち込んで学習するという点が通塾型のようにスムーズにいかないというデメリットもあります。
そのため、EnglsihDriveオンラインでは最初から英検・英会話に特化した学習会と銘打ち、教材もこちらで指定したものを原則使用するということにしています。
―今後の目標などはありますか。
現在は31都道府県の生徒が参加されていますが、EnglishDriveオンラインをより多くの生徒に届けたく、いつか47都道府県の生徒に参加してもらうことを目的としております。より多くの生徒に学習会を届けるためにはボランティア募集にも力をいれていきたく、スポンサー企業様にボランティア派遣を引き続き依頼、一般のボランティアさんにも積極的にお声掛けしています。また、ボランティアさんのモチベーションを保つために「EDOnline Newsletter」を発信し、生徒や学習会の近況報告を行っています。
EnglishDriveオンラインの生徒は首都圏外の生徒さんも多数います。首都圏外の生徒は体験活動の機会が特に少ないので、年1回EnglishDrive合同英語合宿にて東京に呼び、生徒同士でワークショップを実施したり、東京観光をすることにより、少しでも視野や将来の夢が広がるようにと思っております。他にも企業様とのコラボイベントを年数回実施しておりますが、今後も体験活動を生徒たちに提供できるためには経済的支援もまだまだ必要としております。
―いろいろとお聞かせいただき、ありがとうございました。