インタビュー
全国で行われている「食の支援」をサポート
みんなが語るキッズドア -ごはん応援プロジェクト-
キッズドアでは、こども家庭庁の「ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業」に参画し、「ごはん応援プロジェクト」の中間支援法人として、要支援世帯の子ども等を対象に食料品等の配布や食事提供等を行っている団体へ助成を実施しました。
そこで、プロジェクトの内容や応募方法などについて担当者に聞いてみました。
―「ごはん応援PJ」の担当になった時はどのように感じましたか。
私が担当する業務の一つに、全国の子ども支援団体の方々と関わる機会が多くあるのですが、その中でいつも課題として上がるのが資金調達の問題です。小さい団体だと、少人数で活動しているため、子ども支援の活動資金調達に使える時間が充分に確保できないということがあります。
しかし団体自体の大きさは関係なく、団体の先には必ず困りごとを抱えている子どもたちがいるのです。そういった団体に向けて、資金的な支援ができる「ごはん応援PJ」はとても意味があるものだと思いました。
―プロジェクトはどのように決定して、募集を開始するのでしょうか。
まずはキッズドアがこども家庭庁に中間支援法人として応募をします。こども家庭庁から採択いただきましたらすぐにキッズドアのホームページで「ごはん応援PJ」の公募のお知らせを公開します。
そして初めてご応募する団体でもプロジェクトの内容が分かりやすいよう、必ず説明会を行っています。説明会に参加できない団体には動画や資料を共有し、「ごはん応援PJ」の内容がしっかり伝わるようにしています。
「ごはん応援PJ」は、団体として1年の活動実績があり諸条件をクリアしていれば任意団体でも対象になります。子ども食堂をやっておられる団体のご応募が一番多いのですが、その他にもフードパントリーや学習支援事業をやっておられる団体さんからのご応募も多いです。
―「ごはん応援PJ」はこれまでどのような事業があり、どんな支援をされてきたのでしょうか。
キッズドアがこども家庭庁から中間支援法人として採択され、「ごはん応援PJ」を実施するのは今回で3回目になります。
応募数としては今回の3回目が一番多く、全国から100団体以上のご応募がありました。今回の「ごはん応援PJ」2023(補正予算分)は81の団体に助成を実施しました。
助成金の対象としては大きく分けて3つです。直接要支援世帯に届けることができる食事等支援経費(食材、日用品、学用品など)、団体として使うことができる管理運営経費(消耗品、人件費、借料、備品など)、そして配送費になります。
―「ごはん応援PJ」を行い、印象に残っていることはありますか。
地方で活動されている団体さんから、「キッズドアの「ごはん応援PJ」がきっかけで継続的に支援ができるようになり、地域の方の信頼に繋がりました。また行政の方の理解も少しずつ得られるようになってきて、市の助成金を使うことができるようになりました」とお声をいただいたときはとても嬉しかったです。
また報告書をお送りくださる際に「自団体の活動を動画にまとめたのでよかったら見てください」と動画を送ってくださる団体さんもいて、少しずついろいろな団体さんと繋がりができていくことにすごくやりがいを感じています。
―プロジェクトを通じて、どのような学びがありましたか。
助成金の申請書チェックから報告書チェックまでの一連の業務の中で、地域で求められるニーズの違いから地域連携の在り方、各団体の取り組み、代表の方の想いなど様々なことを読み取ることができます。
そのため様々な地域で子どものために尽力されている方がいることに改めて気が付くことができました。子どもの貧困問題は東京だけで起きている問題ではないことを強く実感し、キッズドアのミッションでもある「企業、行政、団体、学校、地域、保護者など様々なステイクホルダーを結びつけるプラットフォームに」を今まで以上に意識し、私たちに何ができるのか常にアンテナを立てながら申請書類に目を通すようにしています。
―将来の目標を教えてください。
今回の助成金審査を通して、小規模で運営している団体にこそ助成金を使っていただきたいのに「普段の活動に忙しくて助成金申請書類を書く時間が確保できない」「助成金の申請書類の書き方が分からない」等の理由から助成金を申請するハードルの高さを感じました。
キッズドアではパートナー支援事業といって、全国の子ども支援事業の皆様に研修や交流会を行う事業があるので、今後は「ごはん応援PJ」で見えてきた課題をもとに助成金の書き方講座の実施や各団体での取り組みを共有する交流会の場を設けることができたらと考えています。
-いろいろとお聞かせいただき、ありがとうございました。