みんなが語るキッズドア
– キッズドア学園高等部(オンライン学習) –
キッズドアではご家庭の経済状況に関係なく子どもたちが志望校に合格できるよう、高校生、浪人生を対象とした大学等受験対策のサポートを行う「キッズドア学園高等部」を設けています。
受験勉強の教材や模試代を提供するなどの支援を行う一方、受験に向けてやさしく時には厳しく学習をサポートし、また勉強以外でも日常のことについて話したりコミュニケーションをとったりしながら、受験期のメンタル面も支えています。 通塾型とともにオンラインがありますが、特にオンラインではどのように進めているのかなど担当者に詳しく聞いてみました。
―オンライン学習はどのように開催しているのでしょうか。
現在日本の大学進学率は東京等の都市部では70%を超える一方、九州、沖縄、東北地方の一部の県では40%前半と、未だ大きい格差があります。
そんな中、もともとは通塾型として設置されていた「キッズドア学園高等部」の活動を、より全国に広げるため昨年11月から開講されたのが「キッズドア学園高等部オンライン」です。
キッズドア学園高等部オンラインでは困窮家庭の子どもたちへの学習支援はもちろん、そんな全国の情報格差や教育格差の是正も目指しています。
活動としては①月2回の個別面談、②ZOOMやLINEを利用した質問対応・自習室、③月1回の受験情報セミナー、という3つを軸としています。
大学生を始めとしたチューターという人たちを常に配置しているため、受講生は大学受験経験者と学習の振り返りや計画立て・大学調べなどを行うことができます。
直接関わる時間は決して長くありませんが、その中で自己理解を進め自己決定を行える受講生を育てることが最大の目標です。
―どのような生徒が利用していますか。
100名近くの高校生が、北は北海道、南は沖縄まで、全国各地から大学進学を目指して受講してくれています。
オンライン学習を望んでいる理由も非常にさまざまで、「自宅周辺に予備校などが無く、経済面からも通うことが出来ない」という環境的な課題がある子もいれば、「通信制の高校に通っているために、電車での移動などが難しい」といった課題を抱えている子もいます。
1年生から3年生まで学年問わず受講しているため、その背景も、悩みも、勉強へのモチベーションさえ人それぞれです。
オンラインかつ個別指導であることに魅力を感じているご家庭が多い印象ですね。
―オンライン学習で工夫していることはありますか。
「ここは自分の話をして良いんだ」と思えるような雰囲気づくりを心掛けています。
我々が受講生と顔を合わせる時間はとても限られており、直接頑張りをみることはできません。
したがって彼らの普段の様子を、彼らなりの言葉で伝えてもらうことが本当に重要です。
そういった声をなるべく引き出し、安心して自分の課題を話してもらえるよう「ヒアリング第一」を心がけています。
ただ勉強の報告をして計画を立てるのではなく、受講生の話をしっかり聴いて受講生を認める言葉を伝える空間にしたいですね。
―これまでの実績はいかがでしょうか。
2022年度は、キッズドア学園全体で49名の受験生が4年制大学に進学しています。
キッズドア学園高等部オンラインとしては今年度初めて受験生を送り出すことになりますが、既に総合型選抜などの一部入試は始まっており、今後さらに受験期の緊張感が増していきます。
今後はより一層丁寧にサポートしていきたいですね。
―これまで思い出深い出来事はありますか。
今年の活動で最も印象深いのは、今年の夏の東京合宿です。
普段はオンラインで勉強している受講生たちですが、全国各地から希望者を募り、1泊2日で大学見学と企業訪問を行いました。交通費と宿泊費はキッズドアが負担しました。
直接顔を合わせたことのない、ほとんど「初めまして」の状態の高校生同士で関わることに最初は戸惑いもあった様子でしたが、2日目には全員が笑顔で活動していたのが非常に印象的でした。
事後アンケートでも「友達ができてその友達と価値観を共有できたりしてとても学べたことが多かった。 」「参加することで世界が広がったように感じられて生活のモチベーションが上がりました 」という感想を頂けました。
受講生が日ごろのカウンセリングで積み重ねていたものが、対面での大学・企業見学を通してより実感できていたように感じます。
―今後の目標などはありますか。
先ほども申し上げましたが、キッズドア学園オンラインは昨年11月に始まったばかりの学習会です。体制や支援の方法など、まだまだ良いものに変えていく必要があると感じています。
規模は少しずつ大きくなっていますが、地方への支援はまだまだ届いていない現状があります。
高校生一人ひとりに寄り添った活動をしつつも、支援を必要としている高校生に手が届くよう支援の輪を広げていきたいと思います。
受講生たちが「僕はこれを学びたい」「私はこれを実現させたい」と胸を張って進学できるようにサポートしていくことが最大の目標です。
―いろいろとお聞かせいただき、ありがとうございました。