スタッフレポート
子どもの貧困
ひとり親世帯の貧困
過ごしてきた日々に感謝して、輝く子ども、未来のために
2020年10月に立ち上がった、コロナによって困難な状況に陥ったご家庭への情報支援、物資支援、就労支援を軸としたファミリーサポート。その中の就労支援「わたしみらいプロジェクト」にわたしは携わっています。
「わたしみらいプロジェクト」とは、コロナの影響が長引く中、子どもを持つパート・アルバイトなどの非正規雇用や失職中の方のための、約3か月の完全無料オンライン就労支援プログラムです。女性のキャリア支援のプロフェッショナルによる、個人に寄り添った支援となります。これまでに200名近くの方に受講いただき、2021年度は厚生労働省からの助成金を元に運営しています。
プログラムに参加される方の95%以上が母子家庭で年収300万円未満、30~40代が多く、心身の負担が大きいためサポートが欠かせません。プログラムでは、まず、マインドセットをしていくことから始めます。育児休暇や離職された際の長期のブランクが、復職・再就職への不安を高めるため、まずは、お気持ちの中にあるモヤモヤを伺います。シングルマザーで家事や育児に追われ、社会から孤立されている方、精神的な苦痛で自分のことさえも考えられず苦しい思いをされる方など、それぞれの環境や状況によって悩みや苦しみは違います。しかし、自分自身と向き合う時間を作るとだんだんと前向きな言葉が出てきます。プログラムに参加される方は、話をしていくことで気持ちが整えられ、すっきりされていくようです。また同じような境遇を知り、頑張っていく気持ちも芽生えるようです。
わたしはプロジェクトの運営やご利用者のお母さんたちと直接やりとりしています。お母さんはマルチタスクだと思います。限られた時間の中で家事、育児、仕事、場合によっては介護もあり、多忙を極めています。そうした中でも、笑顔でやさしく接していただいたりと感謝しています。わたしは社会人3年目で社会人経験が浅く、失礼がないように言葉選びは慎重にしています。接し方がわからない時は、経験豊かなスタッフに聞き、学びになっています。
キッズドアに入職する前は営業職として働いていました。
わたしは沖縄県石垣島出身で大学進学のタイミングで上京し、そのまま就職しました。これまで育ててくれた親のことを考えて就職活動をしていたなと今になって思います。離島からいい大学に入学させてもらい、自分のやりたいことよりも親が喜ぶような有名企業を重視していました。努力した甲斐もあり就職できましたが、やりがいも見いだせていませんでした。
そのような日々を過ごし、社会人2年目のときにコロナ禍となり、在宅勤務の中に自分と仕事と未来について考えました。わたし自身が勉強や子ども、そして子どもたちと過ごす空間が好きなことに改めて気づき、教育や子どもに関われたらという気持ちが募り始めました。わたしの育ってきた環境では、勉強ができる子どもはどんどん伸びますが、経済的理由などで一歩踏み出せず、諦めている子どもたちがいることを思い出しました。自分の人生を自分で選べないことほど不幸なことはないと思います。
日に日に思いは強くなり、同期や上長などたくさんの人に「子どもの支援がしたい」と相談をしていくと前職の部長がキッズドアの理事、肘井を紹介してくれました。その出会いは、今では一生の宝物となっています。なぜならば、キッズドアに繋がり、前職では感じられなかった仕事のやりがいを日々感じているからです。
入職するとキッズドアにはその人の働き方に合わせ雇用形態はパート・アルバイト、正職員、業務委託など多様で、年代も幅広く、豊かな経験、専門的な知識を持っている方、学生や主婦など個性があふれています。強い個性が集まりつつも、「すべての子どもが夢や希望を持てる社会へ」という考えが共通し、キッズドアのスタッフはやさしくて、部署を超えても協力し合える風土があります。理事長渡辺のパワーをすごく感じていますし、わたし自身も目に見えて業務の幅も広がり、エキサイティングな毎日です。
いずれはこうした経験を沖縄にも還元し、貢献していきたいと考えています。今はまだ勉強の身で何ができるわけでもありませんが、沖縄の教育格差を是正していけたらと思います。
わたしは上京したときにキャリア教育やLGBTQへの理解、時間の使い方など沖縄との違いをひしひしと感じました。考えるからこそ人は動き、1日を過ごし、人生となっていきます。その考えは幼いころの影響を大きく受けていると思います。だからこそ、教育は重要だと思っています。
過ごす環境や時代によって人の考えは変わっていくのではと推察します。わたしが過ごした沖縄はノリの良さを求められ、まじめなことや勉強することをからかったりする傾向にありました。わたしは勉強することや先生と話すことが好きでしたが、周りから気持ちの良くないことを言われるとその好きという気持ちがだんだんと弱くなってきます。
入職面接した時、理事長渡辺に沖縄の教育について話し、改善したい思いを熱く話すと「それすごくいい!!」と共感してもらったことは今でも覚えています。キッズドアの沖縄事業を理事長渡辺に提案して設立できたらと考えることもありますし、新たな出会いで沖縄の教育格差が解決できる仕事に関わるかもしれません。もしかしたら、わたしが起業するかもしれません。
未来はどうなるかはわかりませんが、目の前の一つひとつを大事にしていこうと思います。以前は、社会人経験もなく、自分のことで精いっぱいでしたが、だんだんと心にゆとりが持てるようになっているのではないかと思います。視界が広がると、相手の立場を考えることを忘れずに仕事をすることを日々学んでいます。わたし自身これまで人に恵まれていたと思います。そのため、これから出会う人にも嬉しい気持ちや、笑顔がつくれるように日々を過ごせたらと思います。
M.U
子どもを持つパート・アルバイトなどの非正規雇用や失職中の方に寄り添った完全無料オンラインの就労支援を担当
キッズドアスタッフ歴
11か月(2022年2月時点)
得意科目
体育、英語
最近のうれしかったエピソード
- キッズドアの現場を見学する機会があり、いつもは画面越しのスタッフとリアルに会えたこと
- 就労支援プログラムの参加者、講師の方々にオフラインで会えたこと
- ふるさと納税で頼んだお肉や野菜が届いたこと