スタッフレポート
子どもの貧困
教育格差
子ども、そして、 子ども達の身近にいる大人達も 前向きになれる支援を
私は、東京都内で高校生世代を対象とした学習支援、居場所支援を担当しています。来所する生徒は進学意欲が高く、苦手教科克服のため自主的に勉強に励み、ボランティアやアルバイトの方への質問も積極的です。仕事の内容は、主に生徒とボランティアやアルバイトの方の出欠やマッチングを調整したり、生徒や保護者と面談をし、或いは関わるスタッフたちに必要な情報を共有をして、生徒たちを全面的にサポートしています。
生徒たちは受験や定期テスト、更に英検などの資格取得に向けて不安を抱えているので、将来の見通しを明るくできる道筋を作るように工夫しています。進路相談では、現在の状況を分析し、ボランティアやアルバイトの方と学習方針を検討して具体的なアドバイスをするようにしています。例えば、推薦入試を目指していた生徒さんに学校の評価点が低い場合は一般試験に切り替えての対策を一緒に考えたりします。
進路に向けた張り詰めた空間ではなく、居心地の良い空間作りにも力を入れています。リフレッシュできるようにボードゲームや漫画を用意したり、生徒同士の交流を深められるようなイベントを開催しています。スタッフや生徒同士のコミュニケーションがとれると、ちょっとした息抜きになりモチベーションアップにつながっているようです。

今でも大人の都合や勝手な判断で子どもが被害を受けてしまう心が苦しくなる事件がありますが、私自身進路について悩んでいた時に家族の在り方について考えるようになりました。家族という小さな単位だけでなく、社会全体で見守るような子育ての環境が築けたなら、少しでも家庭内の問題が解消されるのではと思い、社会福祉について学べる大学に進みました。
大学では、必ずしもそうとは限りませんが、所得が低い家庭は十分な教育が受けられず、進路も限られてしまい、労働環境が整っていない仕事に就き、貧困の世代間連鎖が生じてしまうことが多いという実態を知りました。貧困問題は様々な社会課題につながっています。その課題を家族だけでは決して解決できません。行政や行政外の教育支援、居場所支援、就労支援などがあってようやく少しずつ改善できることを学びました。

キッズドアの前職は、家庭を支えている大人に着目し、すこしでも仕事にやりがいを感じられるようになってもらえたらと思い、人材関係の仕事に就職しました。その仕事を続けていくと、非正規雇用者の多さや、様々な事情で1つの仕事がなかなか長続きしない人の多さを知り、大学で学んだ貧困による負の連鎖を断ち切れていないことを痛感しました。

N.S
東京都内の生活困窮世帯の高校生・高校中退者・浪人生への学習支援、学習会の運営などを担当
キッズドアスタッフ歴
1年8か月(2023年6月時点)
得意科目
国語・英語
最近のうれしかったエピソード
昨年度まで所属していた中高生支援施設で開催された地域の方対象のお祭りに参加し、運営スタッフとして頑張る中高生の成長した姿を見られたこと。