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教育格差

医療系を目指す生徒たちと魅力的なスタッフに囲まれた日々

私は、昨年新たに立ち上がった医療系の進学を目指す高校生・浪人生を対象とした「医療コース」を担当しています。1年を経た今、担当として感じたことは、医療を志す生徒にも時として不安になることもあり、迷いを生じることもあるということです。

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医療系の道に進むと決めて、受験に臨む高校生や浪人生たち。自身がケガや病気で入院した経験から医療を志す生徒もいれば、家庭環境やドラマ・映画の影響を受けて医療を目指す生徒もいます。受験が近づくにつれ、個々人の学力によっても進路が変わることもあります。医療を目指していた生徒がスポーツ医療を選ぶこともあれば、看護師になりたいと思っていたけれど、自分の学力を見極めて大学から専門学校に変更したり。医療には様々な職種があることを知り、新たな道を探す生徒もいます。
 
学力が高くて医学部を目指す生徒は自ら勉強をしていますが、時として不安になったり、今勉強していることは合格に近づいているのかと勉強方法に疑問を持ったりすることもあります。そういう時にはスタッフ一丸となってサポートをし、不安を取り除くように気持ちを聴き、励ましたりします。
 
また医学部に在籍の現役大学生ボランティアもおり、心強いサポートとなっています。思うように学力が伸びずに模擬試験の結果が芳しくない生徒とは、今後の方向性を一緒に考えます。医師として人の役に立ちたいという気持ちがありつつも医学部進学が困難な場合、医師でなくとも人の役に立つ仕事はたくさんあり、医療にも医療技術分野やリハビリ関連、心理職などもあることを伝え、選択の幅を広げて生徒が新たな道を見出すように一緒に考えます。

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キッズドア入職の前は、国際協力でNGOに関わったり、大学の相談員として心理職の仕事をしていました。人と関わる仕事が好きで、医療コースの生徒たちと同じように誰かの役に立ちたいという想いは強いと思います。
 
駐在員としてエルサレムで5年間国際協力をしていたとき、いろいろな外国人と関わることが多く、私自身日本のことを知らないままだと気づかされました。引き続き、海外で働くことも考えましたが、日本のことを調べるうちにキッズドアと出会い、日本の貧困問題を本気で解決しようとしている大きな組織だと知りました。オンライン説明会や面接を受けていくと魅力的なスタッフがいることに気づき、私自身も日本の貧困問題や教育に少しでも役にたちたいと思い、入職を希望しました。

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医療コース開始当初の自習室は空気が張り詰めていて、「シ~ン」とした中、鉛筆の音だけが響いている状況でしたが、夏休み頃から生徒同士が仲良くなり、スタッフにもたくさん話してくれるようになりました。スイカをご寄付で頂いたときは、全員でスイカゼリーを作ったりもして、わいわい過ごすときもありました。
 
生徒の一人から「学校であれば気を遣ってしまうけど、ここであれば、ボランティアさんにもスタッフにも気軽に話せる」と言われたときはうれしかったです。テストの結果を報告してくれるのもうれしいですが、「今日は疲れたからできない」「学校で友達にこんなこと言われたんだけど」など日常のちょっとしたこと、生徒自身の本心を気軽に話してくれる自習室になっていることに喜びを感じます。にぎやかな時は自習室全体が和やかな雰囲気になり、集中して勉強している時は真剣な雰囲気になり、メリハリのある自習室となっています。
 
キッズドアの医療コースは、SBCメディカルグループ(https://www.sbc-med.com/)様のご支援によって運営されています。昨年は、トークイベントを開催し、代表の相川先生にご講演いただいたところ、生徒たちの目の色が変わりました。講演後のアンケートには「医療を志してよかった!」「絶対に医学部に合格する!」など書かれて、相川先生の言葉のパワーが、強く心に残ったようでした。今後もなるべくキッズドアの医療コースならではのイベントを開催して、子どもたちの学習意欲を高めていきたいと考えています。

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医療コースをスムーズに運営できているのは、生徒の特長を把握しているボランティアやアルバイトの方の存在が非常に大きいです。生徒の様子を見て、タイミングよく声を掛けたり、なかなか声をかけてこない生徒には積極的に話しかけたりして、生徒の状態に合わせてサポートいただいています。そのように生徒の学習を見守ってくださるボランティアやアルバイトの方々がおり、教育について経験や知識が豊富なスタッフたちの熱意を感じながら仕事に取り組むことができて、やりがいを感じています。
 
入職してからキッズドアは日に日に大きくなっているのを実感していますが、まだまだキッズドアには社会に果たす役割があると思います。医療コースの今年の受け入れ人数は、ほぼ定員(自習室20名、オンライン50名)に達しており、もっと支援ができればと思っています。生徒一人ひとりに目を向け、スタッフが力を合わせて、生徒の目指す道を全力でサポートしていくようにこれからも頑張ります。

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N.N
経済的理由などで塾に通えない高校生、浪人生が医療を目指す「キッズドア学園SBCメディカルコース」の運営を担当
 
キッズドアスタッフ歴
1年1か月(2022年6月時点)
 
得意科目
英語
 
最近のうれしかったエピソード
近所のカフェの店員さんに顔を覚えてもらえたこと
 
※キッズドア学園SBCメディカルコースはSBCメディカルグループ様からご支援いただき、運営できています。
学習に必要な参考書や模試代もキッズドアが負担。
オンライン授業のほか、その道の先輩からのアドバイスもいただけます。
SBCメディカルグループ様のドクターや看護師さんとの交流イベントや現役医学部生からの受験体験談を聞く機会なども設けていく予定。

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