スタッフレポート
子どもの貧困
ひとり親世帯の貧困
トライ&エラーで子ども一人ひとりに接する。「やってみよう」が未来を拓く
キッズドアに入職して3年目になるE.Fと申します。現在は東京都中央区にある「大江戸スクール」(中央区在住の生活保護受給世帯および生活困窮家庭の小学4年~6年生への学習支援)と東京都足立区にある「タダゼミあだち」(経済的事情のある中学3年生への学習支援)に関わっています。
「大江戸スクール」は学習支援を火曜日(定員24人)と土曜日(定員15人)に開催しています。曜日によってカラーがあり、火曜日は勉強に対して苦手意識がある子どもたちが多いのですが、元気で明るく賑やかに過ごしています。土曜日は全体的に落ち着いています。学習会に参加している子どもたちの中には勉強に自信が持てない子どもがいます。ご家庭で勉強ができる環境が整っていないことや、学校の授業にどこかのタイミングで躓くなどを理由に、学習意欲が低くなり、自信を失っていることが多いです。学習支援ではまずその躓いたところまで戻り、子どもができるようになると褒めて、成功体験を積ませていきます。問題を解けるようになると少しずつですが、やる気も出てきます。最初のチャレンジまで時間がかかることもありますが、子どもとコミュニケーションを取りながら進めるようにしています。
「タダゼミあだち」は中学3年生の高校受験対策をしています。今年は女子が多く、落ち着いています。自主的に勉強をして、わからないところを聞かれてフォローするような流れです。ボランティアやアルバイトの方と連携を深めながら、子どもの課題に対してどのようしていくのかよく話し合っています。それぞれの教科ごとの課題があり、その場だけの理解ではなく、どのように定着するのか考えたりします。勉強以外にボランティアやアルバイトの方からこれまでの経験などを話し、子どもたちも刺激を受けているようです。
保護者の想いと子どもの考えが一致しないこともあり、勉強道具を持ってこない子どももいます。保護者からすると勉強を頑張ってほしいと想い、子どもは勉強をしたくないと考えます。それぞれの想いや考えを尊重することが重要かなと思います。
保護者に行かされている子どももいて勉強をやろうとしません。勉強どころか遊び始めたり、タブレットでゲームをしたりします。ゲームをすることを否定しませんが、勉強が終わってからだとか、ゲームの時間を設けたり、また「そのタブレットで調べてほしいものがある」などと声を掛けたりと、考え得るアプローチをしていきます。大人から強くやりなさいと言えば、一時的には良くなるだけで、継続しません。むしろ不満を抱え、どこかでその不満を発散するためによくない方向に進むかもしれません。そのため、子どもの存在を尊重し、一人ひとりの意見をよく聞き、子どもたちが勉強できるように選択肢を与えたり、何故したくないのかを聴いたり、いっしょに勉強をしたりと、子どもを第一優先にして、子どもの意思を重視します。
キッズドアの前は、一般企業にて営業職をしていました。お客様の要望や意見を聞いて、サポートやプレゼンをしたりとやりがいを感じていましたが、将来を考えると子どもと関わる仕事への想いが忘れられず、キッズドアに入職をしました。キッズドアに来る子どもはいろいろでひとりとして同じ子どもはいなく、様々なバックグランドを持った子どもに関わることに仕事としての面白み、仕事としての楽しみを感じています。トライ&エラーを繰り返し、子どもひとり一人に合わせたコミュニケーションをとっています。
すぐに結果を求めるのではなく、長期的な視点で物事をとらえることで気持ちの余裕が生まれ、減点方式ではなく、加点方式で過ごすようにしています。また、子どもにも多様な視点を持つことの大切さを伝えたく、これまでの経験として、大学生の頃、東南アジアをバックパッカーとして各国を回った時の話をして、東南アジアで得られたそれぞれの考えや文化の違いを子どもに伝えるようにしています。子どもと接することの答えは絶対的なものはなく、子どもの立場や気持ちを大切にして接するようにしています。
キッズドアで働く経験は貴重で、子どもをはじめ、ボランティアやアルバイトの方など様々な方と関わることに有難さを感じています。子どもと関われる仕事に感謝しつつ、わたし自身が楽しめることを忘れず、これからも子どもひとり一人の声を聴き、子どもがキッズドアに来てよかったと思えるような支援をしていきたいと考えています。
E.F
東京都足立区や中央区在住の生活保護受給世帯、ひとり親家庭、就学援助世帯の子どもを対象とした学習支援、学習会の運営
キッズドアスタッフ歴
2年4か月(2022年8月時点)
得意科目
英語、数学
最近のうれしかったエピソード
美味しい洋食屋さんを見つけて、オムライスが美味しかったこと