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2025年国民生活基礎調査から見えてきた子どもの貧困の実態について ~ 子どもの貧困率は改善、それでも母子世帯の8割が『生活が苦しい』 キッズドア調査室マンスリーレポート Vol.5
7月15日、厚生労働省より「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」が公表されました。今回の調査では、子どもの相対的貧困率が11.0%となり、前回の令和4年大規模調査(11.5%)から0.5ポイント改善しました。
しかしその一方で、母子世帯の81.8%が「生活が苦しい」と回答しており、前回調査から大幅に増加しています。統計上は貧困率の改善が見られる一方で、多くの母子家庭では生活の厳しさが増していることがうかがえます。私たちは、この「数字と生活実感の乖離」に注目する必要があると考えています。
1. 貧困率・生活実感の推移

相対的貧困率は、全体、子どもともに前回調査より低下しました(図1)。一見すると状況は改善しているように見えます。
しかし、「生活が苦しい」と回答した世帯の割合は、全世帯、児童のいる世帯、母子世帯のいずれにおいても上昇しています(図2)。なかでも母子世帯は75.6%から81.8%へと6.2ポイント増加しており、生活の厳しさが一層強まっていることが分かります。
2. 1世帯当たりの平均所得金額の比較(令和4年→令和7年)
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全世帯、児童のいる世帯、母子世帯のいずれにおいても平均所得は増加しています。
しかし、母子世帯の所得増加率は他の区分と比較して最も低く5.2ポイントにとどまり、物価上昇が続くなか、所得の伸びが十分でないことが、生活実感の悪化につながっている可能性があります。
※稼働所得とは、就労によって得た所得を指します。総所得には、稼働所得に加え、年金、財産所得、各種手当等が含まれます。
3. キッズドアの提言
今回の調査結果は、子どもの貧困率が改善傾向にある一方で、母子世帯の生活の苦しさはむしろ深刻化している可能性を示しています。貧困率のみでは捉えきれない現実が存在しており、政策立案においても生活実感を踏まえた対応が求められます。
キッズドアは以下を提言します。
- 生活実感との乖離を踏まえ、相対的貧困率だけで「改善」と判断しない
- 母子世帯を中心に、継続的な所得支援と教育費負担の軽減を強化する
- 食料・物資支援、学習・体験機会の保障を一体的に進める
- 相対的貧困率に加えて、子どもの貧困状況を把握する家計負担や生活実感を含む指標を整理し、対策に反映する
キッズドアでは、本テーマに関する分析を公開しています。ぜひご覧ください。
「2025年国民生活基礎調査から見る子どもの貧困の実態-数字と生活実感の乖離」
https://kidsdoor.net/news/news/20260722.html (PDF資料あり)
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