インタビュー
子どもの貧困
託された想いが貧困の連鎖を断ち切る――「遺贈」でつなぐ命のバトン
むすびす株式会社(以下、むすびす)は、首都圏を中心に貸し式場を利用した葬儀サービスを提供する企業です。「100人いれば100通りのお葬式」をテーマに、故人の人生や遺族の思いに寄り添った葬儀を手がけています。
2017年からは「1葬儀ワンコイン」の寄付の仕組みで継続的にご支援いただき、2018年からは社長の中川貴之さんにアドバイザーとしてご就任いただき、キッズドアの活動を支えていただいています。
今回は、遺贈寄付(遺言によるご寄付)が子ども達の未来を支える仕組みとなることについて、むすびす 中川さんとキッズドア理事長 渡辺由美子が語り合いました。
※内容は取材当時(2025年8月時点)のものです。

中川貴之さん(右)
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO、キッズドアアドバイザー。結婚式プロデュース会社、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。役員として株式上場に携わる。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。2012年1月最高経営責任者として、代表取締役社長兼CEOに就任。
渡辺由美子(左)
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葬儀から子ども達へつながる命のリレー
キッズドア 渡辺
むすびすさんは、キッズドアがまだ小さくて企業からのご支援がほとんどなかった頃に、法人の定額寄付を始めてくださいました。「寄付の仕組みを作って、ずっと応援します」と言っていただいたことを、今でも鮮明に覚えています。長年にわたりご支援いただき、本当に感謝しています。
むすびす 中川さん
実は、ある経営者の方とのご縁でキッズドアの活動を知りました。その時に「1葬儀につきワンコインの寄付をしてみてはどうか」とご提案をいただいたんです。
小さな会社が独自に社会貢献を続けるのは、人員や時間の面でなかなか難しい部分があります。でもこの仕組みならシンプルでわかりやすいので無理なく継続できますし、私達にとってもありがたい形でした。
さらに、私達が掲げる「いのちをむすぶ」という企業理念と、「葬儀を子ども達の未来へつなぐ寄付」という考え方が、ぴったり重なったんです。自分達が直接活動できなくても、すでに目に見える形で取り組んでいる団体を寄付で支えることができる。そう思ったとき、喜んで協力させていただこうと思いました。

子ども達の変化が支援の成果
キッズドア 渡辺
「子ども達の未来へつなぐ寄付」というお話をいただきましたが、ほんの少し応援するだけで「子どもはこんなに変わるのか!」と驚くことが本当に多いんです。私たちは支援の現場で、その瞬間を日々目の当たりにしています。
つい先ほど耳にした話なのですが、家庭の経済状況が厳しい中で「将来は演劇に関わる仕事をしたい」と悩んでいた子がいました。ある日キッズドアのスタッフが、演劇関係者の話を聞ける機会を作ったことがきっかけで、「やっぱりこの道に進みたい」と専門学校に進学し、今まさに夢に向かって歩き出しているそうです。 もしキッズドアに出会っていなければ、経済的な事情からその夢を諦めていたかもしれません。
こうした一人ひとりの変化は、やがて社会を変えていく大きな力になります。自分の子どもでなくても、日本の子ども達を応援することが、社会をより良くしていく大切な力になると感じています。
むすびす 中川さん
日本の子どもの貧困については、まだ知らない方が多いですよね。私自身もキッズドアさんとの出会いで、「日本の子どもはこんなに大変な状況なのか」と初めて知りました。
寄付自体はすぐに行うこともできますが、「実際に何に使われているのか」が見えにくい場合もありますよね。その点、キッズドアは活動量も成果もとても明確です。実際、弊社の中にも、キッズドアの支援を受けている社員がいるんです。こうした点からも、寄付で支援した活動が、子ども達にしっかり届いていることを実感できています。
大切な想いを子ども達へ託す「遺贈」
キッズドア 渡辺
最近、少しずつ「遺贈」のご相談が増えてきました。「自分が亡くなったら、資産の一部がキッズドアに寄付されるようにするので、日本の子ども達のために役立ててほしい」とおっしゃってくださる方がいるんです。
他にも、正式な遺言書はないけれど「親は子どもが好きだったから」「生前、教員をしていたから」といった理由で、相続した財産の一部をご寄付いただくケースもあります。キッズドアは認定NPO法人なので、相続税や所得税の税制優遇を受けられるというメリットもあるんですよね。
むすびす 中川さん
日本では、相続のことを考えないまま亡くなられる方も少なくありませんし、「遺贈」という仕組み自体を知らない方も多いのが現状だと思います。
せめて人生の終え方を考えるタイミングで「遺贈」という選択肢が自然に思い浮かぶ社会になればと思います。たとえば、エンディングノートに「遺贈」の欄があらかじめ入っているだけでも意識が変わるのではないでしょうか。
今は少子化で相続する人数が減っている時代です。遺産を分け与える先が少ないからこそ「家族以外にも託す」という遺贈の考え方は、これからますますフィットしていくのではないかと思います。
キッズドア 渡辺
確かに、「子どもがいないのでキッズドアに遺贈したい」というご相談や、「子どもは遠方で生活しているから、不動産を遺贈できないか」というご相談も実際いただいています。

安心して託していただくために
キッズドア 渡辺
「遺贈」と聞くと、ものすごく大きな金額を寄付するものと思われる方が多いかもしれません。でも遺贈は大金である必要はなく、もちろん少額でも構いません。お気持ちを遺言書に残していただくだけで、そのご寄付を学習教材や模試代など、子ども達のために大切に活用させていただきます。
むすびす 中川さん
寄付する際に「そのお金が何に使われるのか」が明確であることは、大きな安心感につながりますよね。想いを託せば自分の代わりに実現してくれる存在だと思えるので、キッズドアは寄付先としておすすめしやすいです。
キッズドア 渡辺
特に「遺贈」の場合は、遺言書を作成してから実際に寄付が実行されるまで何年も先になることが多いものです。ですから「その時にもキッズドアはきちんと活動している」という安心感も大切だと考えています。
そのお気持ちに応えるため、私達はコンプライアンスやリスクマネジメントに力を入れてきました。内部監査室の設置や、弁護士資格を持つ職員の常駐、さらに中川さんをはじめとする社会経験豊かな方々にアドバイザーや理事として加わっていただいています。
寄付をお預かりする団体としての責任を果たすために、体制をしっかり整えてきました。

託された想いが、子ども達を支える力に
むすびす 中川さん
「遺贈」を検討される方には、私達が掲げる「いのちをむすぶ」という理念のもとで、子ども達の未来につながる活動があることをしっかりお伝えしていきたいと思います。そうすれば「自分の想いを未来に託せる」という期待や希望を感じていただけるはずです。
日本の子どもの貧困という課題に加えて、「残された家族以外にも遺産を託す」という選択肢を、もっと多くの方に知っていただけるよう、アドバイザーとして役割を果たしていきたいと思っています。
キッズドア 渡辺
中川さんがお話くださったように、想いを未来に託すことには大きな価値があります。私達は「貧困の連鎖」という言葉をよく使います。経済的な理由で進学や挑戦の機会を得られないことで、次の世代も貧困に陥りやすい現実があるからです。
けれど、支援があれば子ども達は変わります。「進学して、就職ができて、貧困の連鎖から抜け出せました」という声やお便りがたくさん届いています。子ども達を応援すれば、確実に日本の社会も良くなっていくんです。
本当に支援を必要としている子ども達に、これからも支援を届け続けたいと思っていますが、それでもまだ十分ではありません。 人生の最後に「少しでも日本の子ども達に託そう」と思っていただける方が増えれば、子ども達の未来も、日本の未来も、もっと明るく変えていけると信じています。
- むすびす株式会社
https://musubisu.jp/ - キッズドアへの遺贈・相続財産寄付について(資料請求)
- 日本の子どもの貧困について
https://kidsdoor.net/issue/poverty.html
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