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「私を覚えていてくれたことが嬉しくて、ここにいていいんだと思えた」―― 卒業生の声
キッズドア卒業生 Aさん(大学生)のスピーチ
※2024年11月12日に行われた『キッズドア ファミリー総会2024』でのスピーチを文字起こししたものです。プライバシー保護のため一部加工・編集し、読みやすい体裁にするため一部文章を整えています。
皆さんこんにちは。Aと申します。私は高校3年生のとき、キッズドアの居場所支援を行っている『リホップ』という施設に通っていました。『リホップ』では勉強はもちろん、進路について相談したり、みんなでご飯を食べたり温かく安心できる空間でした。
私が『リホップ』に通い始めた高校3年生の春頃は、ちょうど受験勉強と所属していた吹奏楽部のコンクールが迫っている時期でした。受験の焦りと吹奏楽部の本番前のストレスとで、今考えるとかなり神経質になっていたように思います。
また、家族関係も良好とは言えず、学校も家も安心して過ごせる居場所ではありませんでした。そんな中、私は偶然『リホップ』と出会いました。最初は慣れない環境に緊張してしまい、自分はここにいていいのだろうかと不安に思い、正直これからも訪れるかは迷っていました。
しかしその1週間後、少し緊張しながら『リホップ』を訪れたとき、目が合った職員さんが「あっ、〇〇こんにちは」と私を愛称で呼んでくれました。もう来ないかもしれない私のことを覚えてくれていたという、ただそれだけのことが私にはとても嬉しくて、ここにいていいんだと思えるようになりました。
1年足らずの『リホップ』での時間は、今でも私の宝物です。現在私は、キッズドアが行っている学習会で、アルバイトスタッフとしてお仕事をしています。その学習会は、『リホップ』とは少し異なり、学習を通して居場所を支援しています。
勉強を教えたり、大学のキャンパスツアーや企業見学などのイベントで引率のお手伝いをしたりしています。個性的なアルバイトさんやボランティアさんが多く、学校生活だけでは出会えない人たちと生徒さんの交流の場にもなっています。
参加してくれている生徒さんは、勉強に前向きなこともあれば、親御さんに連れられてきていたり、発達障害などで勉強に難しさを感じていたりなど理由は様々です。その中で、生徒さんがスタッフさんとの関わりやイベントの参加を通して、自分の進路について考えたり、目標に向かって努力したりしている姿を見ていると、学習支援や居場所支援の重要性を感じさせられます。
最後に私の心を支え、多くの出会いと学びをくれたキッズドア、並びにキッズドアを支援してくださっている皆様に本当に感謝しております。今後もアルバイトやその他の形でもキッズドアに関われたらと思います。ご清聴ありがとうございました。
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