仕事の内容
学習会
経済的に厳しい環境下にある子ども達に無料で学習支援を行う仕事です。実際に子ども達に勉強を教えるのは主にボランティアが行いますが、職員はアルバイトやボランティアをまとめ上げて、チームが最高のパフォーマンスを発揮できるよう学習会を運営していきます。
また保護者面談やボランティア説明会の企画・運営や採用面接なども行います。進学相談なども行っていきますが、子ども達の「夢に向かって自ら進もう」という気持ちを引き出す「寄り添い型」の支援に重点を置いています。
居場所
子ども達が安心して過ごせる、学校でも家でもない「第3の居場所」を運営する仕事です。学習の支援も行いますが、様々な相談にのったり一緒にゲームを楽しむなど、アルバイトやボランティアとともに「居心地の良い空間」を作り出すよう工夫をします。
食事の提供やイベントの企画なども重要な役割です。そうした活動を通じて子どもの成長をサポートしていきます。様々な背景を持った子ども達が来るので、メンタルなサポートも含めよりきめ細かな対応が必要になることも多い職場です。
体験活動
貧困が子ども達から様々な体験の機会を奪ってしまっている現実があります。クラブ活動に参加できない、夏休みにどこへも行ったことがない、友達と一緒に買い物などしたことがない…。こうした子ども達に体験に機会を提供し、将来に向けて可能性を広げるきっかけとする仕事です。
スポンサー企業と共同でIT教育のコースを企画・運営したり、一流企業のトップや社員との交流の場を設けたりします。時には泊りがけの体験イベントに引率することもあります。
望まれる人材像
これらの活動には、事業の委託元である行政やスポンサー企業をはじめ様々なステークホルダーが存在します。それらの方々とのコミュニケーションを円滑に進めることのできる能力は必須です。
また行政委託事業の場合は、1~5年に一度、プロポーザル方式による受託事業者の選定が行われます。自主事業の場合には、民間の助成金等に申請を行って運営資金を調達する必要があります。いずれの場合も、普段の活動実績に基づいた説得力のある企画を提案することが必要です。そのための企画立案力やプレゼン力も求められる能力として重要です。
NPOの場合、ヒト・モノ・カネという経営資源が潤沢に提供されることはほとんどありません。したがって少ない資源で最大の成果を上げられるような、生産性の高い業務運営ができる能力というのも、今後ますます重要になってくるでしょう。
インタビュー
高校生居場所担当
K.Sさん
やりがいを感じる時は?
都立高校を中退学した生徒、在籍はしているが高校生活を送ることに困難を抱えている生徒などへ“高卒資格取得”を目標とした学習面、生活面、精神面のサポートを提供していますが、生徒が自ら「報告」してくれるようになったときにやりがいを感じます。嬉しかったことだけでなく、悲しかったこと、ムカついたことなど感情を隠さずに話してくれたときに関係性が築けてきたなと感じます。それと同時にこれからその生徒と向き合っていくぞ!と気合いを入れ直す瞬間でもあります。
どんなところが難しい?
高校生になると抱えている課題、進路選択も多岐にわたることです。生徒の悩みを全て解決することは難しいですし、それぞれに答えがあるわけでもありません。信頼して相談してくれた分、こちらはドシッと構えて「寄り添いながら話を聞く」「解決策を一緒に考え続ける」ことで生徒の不安で落ち着かない気持ちが少しでも楽になるように心掛けています。
どんな力が必要か?
「切り替える力」が大事だと思います。生徒対応では一人ひとりの性格やその日の気分、状況によっても生徒の反応は変わります。A案に手応えがなかったらB案というように、すぐに切り替えてどんどん試していく思い切りの良さが必要だと感じます。居場所支援では生徒と過ごす時間が長く、メンタル面のサポートをしたり重い内容の相談を聞いたりすることもあります。そうしたときは、重く受け止めて抱え込むのではなく、自分たちでできることは何かを前向きに捉え直してサポートするよう努めています。また、職場と家のON/OFFの切り替えも必須です!自分なりの息抜きの方法を見つけておくと良いと思います。