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ごはん応援プロジェクトレポート!「せんげん台こども食堂 」

キッズドアでは、「食」で子どもを支える活動のための「ごはん応援プロジェクト」を行っています。
本プロジェクトの支援対象はひとり親家庭をはじめとした要支援世帯のこども等であり、こども食堂等を実施する団体に対する助成事業です。
2025年度、全国から多数のご応募をいただきました。プロジェクトに参加されたきっかけや日頃の活動について一部団体をレポートします。
今回は、埼玉県で活動されているせんげん台こども食堂様をご紹介いたします。
以下、代表者の草場様よりお伺いしたお話をレポート形式でお届けします。

【団体概要】
団体名:せんげん台こども食堂
代表者:草場 澄江
所在地:埼玉県越谷市千間台西5丁目1番地1プラネせんげん台306
HP:https://ameblo.jp/sengendaikodomosyokudou/

事業内容:「せんげん台こども食堂」は、ひとり親・共働き・子育て中の生活困窮家庭や子ども達の見守り・支援することを目的として設立。こども食堂、子育て応援フードパントリー、学習支援の活動を実施。学習支援の場で「こども食堂」として毎回食事の提供、越谷市内のひとり親家庭等生活困窮家庭に食品の無料配付活動「越谷子育て応援フードパントリーせんげん台」の2カ月に1回開催し、食料品を配付している。

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【支援が届く取り組みを目指して 「食」から始まる信頼づくり 
埼玉県越谷市で民生・児童委員の主任児童委員を15年行い、地域で子どもに関わる活動を長年続けてきました。活動の中で、子育て中で生活にお困りのご家庭や課題を抱える子どもが多いことを感じて、2016年にコミュニティー型の「せんげん台こども食堂」を始めました。ただ、支援が必要で困っているご家庭やこどもは2割にも満たない状況でした。「必要とされるところに手が届いていない」と悩む中で、生活困窮家庭へ無料で食品等を配布するフードパントリーの活動を知り、2018年に「子育て応援フードパントリー」を開始しました。対象者は子育て中の生活困窮者に限定し、家庭状況を丁寧に確認しています。パントリー活動は、抵抗感の少ない支援の入口として機能し、ご家庭や保護者とつながることを目的としています。定期的な交流によって顔の見える関係づくりを通して、お話に耳を傾け、信頼関係を築くことを何より大切にしています。

同時に、地域の方々のご協力で活動する場所をご提供いただき、半年後に受験を控えた中学生に学習支援をすることになりました。それぞれの進路に進むこどもたちの背中を押せたことは何より嬉しい思いがありました。口コミで広がった学習支援は生徒が増え、ご厚意でお貸しいただいていた場所では手狭になっていた頃、りそな銀行さんとのご縁で現在は無償で広い会場を利用させていただき、学習支援「ねむの木」を運営しています。こどもの居場所・学習支援では、不登校のこども、生活が困窮していて塾に通えないこどもたちを対象に支援しており、十分に食事がとれない環境のこどものために食事支援も行っています。

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【手作りのあたたかいごはんと、寄り添う時間を】
ごはん応援プロジェクトを活用することで、日頃のパントリー活動では行き届かないお米、野菜、果物などの食糧品を補うことができます。パントリー活動は世帯数に応じて仕分けをし、賞味期限の確認や冷凍品保管など作業が多く大変ですが、保護者とのつながれる、信頼関係を構築する大切な場です。食糧品を受け取りに来たひとり親の方が涙を流しながらお話をしてくださったり、帰り際に1時間くらいお話を聴いたりする中で、「実は子どもが不登校で悩んでいる」といった事情が分かることも少なくありません。私たちは専門家ではないですが、子育ての先輩としての話しやすさもあるのかなと思います。パントリーの活動を通してご家庭やこどもの事情が分かることも多く、利用をきっかけにこども食堂や学習支援教室に通い始めた子もいます。

昨年から、学習支援に参加している子どもを対象に毎回食事提供を行い、手作りお弁当を作ってみんなで一緒に食べる会食形式でこども食堂を実施しています。食事から自然な会話が生まれ、ボランティアの方々が丁寧に子どもたちと対話し、日常生活な会話の中で寄り添ってくださっています。実は、「温かい出来立てのお弁当を食べてほしい」というスタッフの声でスタートしました。居場所・学習支援の場でも「食べられること」はモチベーションになり、とても魅力的なので必須なんです。子こどもたちが自分で食べられるものを常備しつつ、こども食堂では出来立ての温かいお弁当をみんなで一緒に食べることができます。

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【地域の力とつながる未来】 
様々な活動をしていると課題は多いですが、食品衛生管理の徹底、食料品の保管方法や保管場所、運搬方法など「食の安全」への配慮は必須です。その他にも、学習支援では子どもとの接し方や子どもの権利について、ボランティアさんにご説明をしてご理解をいただいています。また、会場をご提供いただいている銀行さんとは、安全面での2方向の避難経路の確保、個人情報の取り扱いなどのやり取りなどを行います。

大変なことも多いですが、最初に丁寧にやり取りをすることが肝心だと思っています。活動への信頼につながり、実績と信用を積み重ね、一緒に考えてくださる方々が増えます。そして、子ども支援の現状を訴え続けることが何より大切で、地域での理解を深めることがネットワークにつながっているんだなと思います。

保護者の方々は、解決よりも「聴いてほしい」、「共感してほしい」ということが多いので、私たちが第三者の立場でお話を聴き、行政への相談やサポートを行うことで支援が届くこともあります。現在は、課題を抱えた子どもたちの相談があった際には私たちの学習支援につなげてくれるようになり、私たちがご家庭からお困りごとやご相談を聞いた場合は行政に相談しやすくなっています。小中学校、こども家庭センター、スクールソーシャルワーカー、市社協、市町村が包括的に取り組む「重層的支援体制整備事業」でのつながり等もあり、多方面で連携しながらの支援体制ができつつあります。情報交換や補い合いながら、共通の課題について他機関との連携を進めるということが大切だと実感しています。

今では支援していた子がボランティアで活動に参加してくれています。これからも地域で成長を見守り、寄り添いながら目の前の子どもたちを応援していきたいです。子どもたちには、背中を押してくれる地域の方々との関わりを持ち、可能性を広げてもらいたいと思っています。

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いつまでも、どこまでも、
子どものために

Achievements

長年続けてきた活動が、
確実に実を結んでいます。

  • 学習支援を届けた生徒

    2,112

    2024年度の実績

  • 開催した学習会

    5,880

    2024年度の実績

  • 支援を届けた子どもと親

    826,682

    2024年度 情報・物資等支援 延べ人数

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