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ごはん応援プロジェクトレポート!「認定NPO法人NGO未来の子どもネットワーク」
キッズドアでは、「食」で子どもを支える活動のための「ごはん応援プロジェクト」を行っています。
本プロジェクトの支援対象はひとり親家庭をはじめとした要支援世帯のこども等であり、こども食堂等を実施する団体に対する助成事業です。
2025年度、関東甲信越地域から多数のご応募をいただきました。プロジェクトに参加されたきっかけや日頃の活動について一部団体をレポートします。
今回は、茨城県で活動されている認定NPO法人NGO未来の子どもネットワーク様をご紹介いたします。
以下、代表者の笠井様よりお伺いしたお話をレポート形式でお届けします。
【団体概要】
団体名:認定NPO法人NGO未来の子どもネットワーク
代表者:笠井 広子
所在地:茨城県龍ケ崎市城ノ内3丁目2番地2
ホームページURL:https://www.miranet.or.jp
インスタグラムURL:https://instagram.com/mirai_no_kodomo_network
事業内容:
要保護世帯、準要保護世帯、ひとり親世帯、生きていく事も含めてあらゆることに困窮している児童生徒(0才~18才)に対して、生活環境への支援、生活支援、学習支援、食事支援等を行うことで、生まれた環境に少しでも左右されないよう、生活困窮者世帯の子ども、家族や保護者が孤立せず未来に向かって生きていけるように、サポートすることを目的とし、今年で開設12年目を迎えます。長期的支援を軸に一人の子どもが成長していく過程を傍で一緒に歩いて行き、心理的な居場所を目指している子どもの居場所です。
①子どもへの支援活動:生活困窮世帯、ひとり親家庭の為の居場所「みらサポ」
②何かに困っている子どもたちと親が無料で利用できる「子ども食堂」
③当会を通常利用していない困窮者世帯への食糧配布フードパントリー
④無料学習支援塾
⑤ランドセル・制服バンク
⑥障がい児童生徒特別支援教育支援事業
⑦海外貧困の子どもたちへの必要品支援
【スタートはおにぎりとお味噌汁】
2014年のスタートから12年目になり現在は様々な支援をしていますが、子ども食堂の始まりはおにぎりとお味噌汁でした。もともと学校内での支援活動をしていた中で、筆箱を持っていない子や必要なときのお弁当がない子、給食の食べ方が気になる子など、少しずつ困りごとを抱えた子どもたちに気が付き始めました。その子どもたちが満足に食事をしていない状況であることを知り、市役所の2階を借りておにぎりとお味噌汁の提供を始めたのがきっかけです。さらに、続けているうちに活動が新聞に掲載され、その新聞を見た方が活動場所を提供してくださったので、ありがたいことに無償で子ども食堂を運営しています。
活動を継続する費用を工面するために行政に何度も足を運び、支援の必要性や重要性についての理解をお伝えしながら3年ほど活動していました。続けていくうちに、まずは茨城県から学習支援事業の「無料塾」としてお声がけをいただき、その後、居場所の活動は市の委託事業で実施しています。子ども食堂は、ご事情や状況等で行政では受け入れられない世帯を幅広く受け入れるためにもあえて自主事業で運営しています。
他には、保健センター、市教育委員会教育センター、学校やスクールソーシャルワーカー、子ども家庭センターなど、様々な行政機関との連携を行っています。例えば、学校・学童と連携し、子どもたちが学校から直接来ることができるように子ども食堂下校班があります。子どもの自宅から子ども食堂の往復は車で送迎をしているので、学校や学童で連絡が取りづらいご家庭については、送迎時に保護者への連絡事項の伝言を受けることも多いです。また、支援が必要な世帯は行政や学校との連絡が取りづらい場合も多いので、学校の担任の先生や校長先生、行政の方が「ここに来ると会える」と言ってよく来られます。 そのほかにも、保護者の妊娠中のサポートをしたり、支援が必要な児童生徒に関してのケース会議に参加して対応を協議したりしています。
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【“選ぶ”体験と楽しさを届ける ―栄養と食育の支援から―】
ごはん応援プロジェクトを活用することで、成長期の子どもたちにバランスのよい食事を提供することができます。ありがたいことに食材の寄付をいただきますが、寄付品だけでは栄養バランスが偏ります。サラダに魚介類をトッピングしたり、お肉やお魚のバリエーションを増やしたり、食材やメニューの幅を広げるのは寄付だけでは難しいので、ごはん応援プロジェクトを活用できて良かった点です。特にお魚は値段が高く、ご家庭でもあまり食べないようなので、様々な種類や季節の旬のお魚を出すようにしています。魚料理が増えて、子どもたちに一切れずつ出せるのは嬉しいです。
いろんなものを食べた中で美味しいものや好きなものがわかっていくので、家庭で普段は食べないメニューを出せるのは栄養バランスと同時に「食育」としての目的もあります。日頃、手作りの家庭料理を食べる機会が少ない子どもたちにとって、一緒に食べながら会話をするというのは、とても貴重な食育の場となっています。
以前、いただいた食材や寄付のみで運営していた頃はワンプレートで同じメニューを提供していました。ただ、全員が同じメニューのため好き嫌いによってはごはんを食べきれない子もおり、フードロスを減らす目的でいただいた食材が結局フードロスになってしまうことに課題を感じていました。スタッフ間で話し合い、子どもたちに嫌いなものを食べるように促すより、ワンプレートではなくバイキング形式にして提供方法を変えました。子どもたち自身で好きなものを選ぶ、選んだものは必ず食べる、食べたことがない食材はチャレンジする、チャレンジしたものは残してもいいなどのルールを子どもたちと決めました。子どもたちが「選ぶ」という機会を増やしたいと思ったからです。
子ども食堂を利用している子どもたちは、「当たり前の事が当たり前に経験できない」ことが多い状況です。“ごはん”は、単純に空腹を満たすだけではなく、食事を通して、選んだり、経験したりする機会でもあると思うので、「旅館の朝ごはん」、「中華料理」など楽しさを感じるメニューテーマを決めています。

【子どもはいつも“どまんなか” ―長期的支援のこれから―】
子どもへ支援を届けるため、様々なことをスタッフやボランティアさんと都度話し合う中で、保護者も含めて世帯丸ごと支援が必要であるという認識が生まれました。私たちの活動では、「子どもはいつも“どまんなか” 」という言葉が共通言語です。
ある保護者が「食べるものなかったら食べなければいいから困らない」とおっしゃったんです。私にはその感覚がなかったので「困っている基準が自分とは違うこと」に気付きました。「困っている基準は生きてきた人生や背景でそれぞれ違い、状況によって変わる」ということを学びました。長期的支援の過程で、保護者の態度や言葉の変化が見えるので、保護者自身も経験が乏しかったということがだんだん分かってきて貧困の連鎖の実態が見えます。子どもも子どもなりに困っていることを発信しても、真っ直ぐな発信の仕方とは言えない可能性も大いにあります。長期的支援の過程でみえる子どもたちの言動の癖、どういう発信の仕方をしているのか、長い目で観察すると分かることがあります。信頼関係や相互理解、世帯丸ごとの成長とともに、支援の形もゆっくりと変わっていき、ともに成長できているなと実感します。
経験がなければ、自分が好きなものや欲しいものが分かりません。選択肢があってやらない選択をすることと、そもそも選択肢がないことは根本的に違います。自分が暮らす環境も選択できることを知ってほしいです。そのためには土台や経験が必要なので、今後は、子ども食堂の隣に居場所施設を建てたいと考えています。整理された部屋や清潔な衣類で暮らす気持ち良さを肌で感じてもらいたいです。子どもたちが居心地良い空間だと感じられるような施設を計画しています。結局、ずっと一緒にはいられないので、転ばないようにするのではなく、安全な場所で失敗できる環境を作って大人が受容しつつ、自分で立ち上がり方を知ってもらえればと思っています。
貧困に特化した支援活動をしていると少なからず賛否の声はあるものの、活動を続けていて嬉しいのは地域の方々のご理解とご協力です。地域で「賑やかで楽しい」と温かく見守り、受け入れてくださって今に至ります。仕事が終わって来てくれる男性ボランティアさんが面接官になって就職の面接の練習もしてくれます。子どもたちにはいろんな人と関わってほしいなって思いますね。子ども食堂もひとつの社会なので、統一された大人ではなくいろんな大人がいてほしいです。親でなくても様々な大人が関わることで未来の選択肢を広げる一助になると実感しています。

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