子ども・保護者の声
教育格差
ひとり親世帯の貧困
「薬で心を救いたい」広島大薬学部で始まる研究者への一歩——卒業生の声
※2025年3月の取材内容をもとに記事にしたものです。プライバシー保護のため一部加工・編集しています。
薬学部を目指すきっかけ
私は、精神的に辛そうにしている人が周りにいたことがきっかけで、小学生の頃から心理学に興味を持つようになりました。そのうち、薬で心の病を治療する精神医学にも興味が広がり、さらに「その薬自体を研究するのも面白そうだな」と思うようになりました。そうして高校3年生になる頃には、薬学部を目指すようになっていました。
高校3年生の秋になると、想像以上に参考書選びに時間と労力がかかることが、大変だと感じるようになりました。塾に通っていなかった私は、塾で教材を借りて試して選ぶということができず、すでに参考書を持っている友人に話を聞きながら、自分に合うかどうかを本屋さんで何度も確認していました。
そんなとき、高校受験のときにお世話になった団体の方から、「キッズドア 下村龍馬塾(※)というところで生徒を募集しているよ」という情報をいただきました。当時の私は、自由に教材にアクセスできる場所、集中して勉強できる環境、そして学習計画へのアドバイスを求めていたので、下村龍馬塾は自分が探していたものがすべて揃っているように感じて、迷わず応募を決めました。通い始めたのは、11月の後半頃でした。
(※低所得家庭から難関国公立大学や私立大学への進学を目指す高校生・浪人生のための無料学習支援事業のこと。以降、「下村龍馬塾」と表記)
一人では手に入らなかった学びの環境
受験までの残り約3カ月、平日はほぼ毎日通って、共通テスト対策の資料を本当にたくさん活用させていただきました。共通テストの過去問は学校で借りることもできましたが、模試の過去問や新課程に対応した予想問題など、学校には置いていない資料も多くありました。中には、それまで存在すら知らなかったものもあり、そうした資料を活用して演習を重ねることで、力をつけていくことができました。
また、限られた時間の中で、どんなふうに効率よく学習を進めるか、科目ごとの時間配分はどうすればいいかなど、具体的なアドバイスもいただきました。進路相談は学校にもありますが、全教科をふまえて学習計画を見てくれたり、共通テストや志望校の対策まで相談できる先生はなかなかいません。一人では判断しづらかった学習内容のバランスを、スタッフの方に相談しながら整えていくことで、「このやり方で大丈夫なんだ」と自信を持って取り組むことができました。
結果、共通テストが終わって自己採点してみると、思っていた以上に納得のいく出来で、とても嬉しかったです。広島大学で取り組んでいる研究が面白そうだと思っていたので、広島大学の薬学部薬科学科に出願することにしました。
2次試験まで頑張れる自信
共通テスト後は、自由登校になって学校に行かなくなりますが、責任を持って最後まで見てくれる人がいるのはとても心強く感じました。もし、共通テストの後に一人で過ごしていたら、すごい不安になって「絶対合格できる公立大学の薬学部だったらどこでもいい」みたいに考えて、出願をしてしまった可能性もあったと思います。
相談しやすい雰囲気がありながらも、気持ちをポジティブに安定した状態で保てるようなコミュニケーションをとってもらっていたと思います。進路の相談ができたことによって、志望大学の合格に向けて2次試験まで頑張れる自信をもらえた気がします。

合格報告のために下村龍馬塾に来てくれたAさん
春から広島へ。研究者への第一歩
先日、無事に広島大学の合格通知を受け取り、4月からは広島での新生活が始まります。
実は、下村龍馬塾に初めて訪れたとき、施設はまだ工事中でした。本来は2025年度の春から開く予定だったそうですが、予定を早めて受け入れてくれたので、3カ月間利用することができました。この明るくてオープンな雰囲気が大好きで、良い環境の中で勉強することができました。軽食の提供なども含め、受験生に必要なものが全部揃っていました。本当に感謝しています。
将来の夢は今も変わらず、精神系の薬を研究する研究者になることです。薬科学科は1学年20人ほどの少人数制なので、みんなと仲良くできたらいいなと思っています。仲間達と一緒に研究や実験をするのが今から楽しみです。
- キッズドア 下村龍馬塾の開塾を知らせる記事
https://kidsdoor.net/news/news/20241029.html
【キッズドア卒業生・在校生の声】
【その他】
- その他の「生徒・保護者の声」はこちらでご覧いただけます
https://kidsdoor.net/column?catid=12
- 「生徒の事例紹介」はこちらでご覧いただけます
https://kidsdoor.net/activity/case.html