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自転車がない。乗り方を教えてくれる大人もいない──保護者インタビューで浮かび上がる『部活の壁』
キッズドア・ファミリーサポートに登録している、子ども3人を育てる40代のシングルマザーにお話を伺いました。部活への参加を阻むのは、子ども本人の気持ちや体力だけではありません。部活用品の費用、自転車、夏休みの食費と光熱費──「当たり前」に見えるものが、ひとり親家庭では一つひとつ大きな壁となってのしかかります。この記事では、赤字と隣り合わせの日常を送るお母さんのインタビューから見えてきた、部活にまつわるさまざまな「壁」のリアルをお伝えします。
※取材内容をもとに記事にしたものです。プライバシー保護のため一部加工・編集しています。
赤字と隣り合わせの生活
私は、関東地方に住む、40代のシングルマザーです。小中学生の子どもが3人いて、末の子が生まれてすぐに離婚しました。それから10年近く、4人で暮らしています。
月々の手取りは15~16万円です。児童扶養手当などの各種手当を含めても、家賃、食費、光熱費などを払えば、残りはほとんどありません。やりくりというよりも、常に赤字と隣り合わせの中で暮らしています。
きっかけは「一足の靴」でした
上の子は、中学に進学した当初は文化部に入っていました。休み時間に校庭で体を動かすことが好きな子だったので、「部活用品が要らないから文化部に入部しよう」という気持ちが、本人の中にあったのかもしれません。
転機は、キッズドアのスポーツシューズのプレゼント企画に当選したことでした。私としては、正直なところ普段の生活で履ける靴が当たればという気持ちで応募しました。でも、子どもにとっては違ったようで、「運動できる靴をもらえた」ことが、ものすごくうれしかったみたいです。そこから運動部に入ると言い出したときは、びっくりしました。
靴一足が、「本来の自分がやりたいこと」への扉を開いてくれたのだと思っています。その後、二番目の子も中学進学と同時に上の子と同じ部活へ入部しました。
練習着代2万円が、すぐに用意できなかった
でも、部活を続けることには、次々と壁が立ちはだかります。
二番目の子が入部したとき、「練習着を統一で購入する」という通達がありました。上下合わせて2万円弱です。上の子の代では何を着てもよかったので、この変更は想定外でした。ギリギリまでお支払いを延ばして、それでも無理で、結局そこはお金を借りて対応しました。
自転車がない、乗り方を教える時間もない、という苦しさ
そして、部活の集合が自転車、という慣習も壁になっています。
みんな自転車に乗って集まるのに、うちの子達だけ歩いて行きます。友達から「自転車に乗れないの?」とバカにされることもあるようで、居心地が悪いみたいです。それを聞くと胸が痛くなります。
そもそも家には自転車がありませんし、子ども達は自転車に乗れません。自転車を用意することは到底できないし、自転車に乗る練習を手伝ってあげることも、私一人では時間もゆとりもありません。自分が子どもの頃は家に自転車があって、練習して乗ることができたのに、自分の子どもには同じようにしてあげられていない……そのことを考えると苦しくて……言葉になりません……。
子ども達はときどき不満をぶつけてくることもありますが、「自分で何とかできることで楽しんでいこう」と、自分達なりに折り合いをつけているように感じます。
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食費も光熱費も跳ね上がる夏休み
夏休みになると、家計の状況はさらに厳しくなります。給食がなくなり、食べ盛りの子ども達のために毎日3食を用意しなければならないためです。エアコンは命に関わるので削ることができず、水道光熱費は跳ね上がります。
外出も容易ではありません。子ども3人分の交通費や食費がかかるので、これまでの夏は「昼食自体をメインの大イベントとして意を決して外食するか、熱い時間帯を避けて早朝に公園で遊ぶか」という限られた選択肢の中で夏を過ごしてきました。
今は夏休みのことを考えると不安しかないので、なるべく考えないようにしています。
努力だけでは追いつかない
もちろん、子ども食堂や涼めるスポットなどがあることは知っています。でも、気軽に行けるものではなく、ハードルの高さを感じているのが正直なところです。
苦しいのは、お金がないことだけではありません。一番苦しいと感じるのは、私ひとりで背負うものが多すぎることです。心の余裕や選択肢がなくなっていくことが、本当につらいです。一生懸命働いているのに、もう努力だけでは追いつかない状況になっていると、日々感じています。様々な支援がありますが、社会全体で賃金が上がるのが一番の支援になると思います。
靴一足で部活への扉を開いた子ども達は、この夏も部活に参加しています。でも、部活を続けていくには、練習着だけでなく、自転車、お弁当、そして日々の生活費──小さくない壁が、何枚も重なっているんです。
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【 これまでに食料支援を受けた困窮子育て家庭からの声 】
- 「旅行・習い事・外食は無くて当たり前、と子どもも理解している」
- 「ふりかけをかけてお腹いっぱいになれる、これほど嬉しいことはない」
- 「お米ありがとう。おなかいっぱいたべたよ。」
- 「今日も生きようと思うことができました」
- 「夏休みはどこにも出かけられないと伝えてあります」
- 「私と息子は今ここにいなかったかもしれません」
- 「洋服1枚買えず、中学のジャージで過ごしました」
- 「電気代が心配でクーラーをつけずに頑張っています」
【子どもを取り巻く課題】
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